作家水嶋ヒロ 賞金2000万円辞退

[ 2010年11月2日 06:00 ]

第5回ポプラ社小説大賞受賞作発表会で受賞スピーチをする水嶋ヒロ

 処女作「KAGEROU」が第5回ポプラ社小説大賞に選ばれた俳優の水嶋ヒロ(26)が1日、都内で行われた受賞作発表会に出席した。賞金2000万円の受け取りは辞退した。報道陣の前に姿を見せたのは58日ぶりで、執筆活動を理由に前所属事務所からの退社を発表してから初めて。「大賞をいただけたという現実に身震いを感じている」と喜びを語った。

 今度のサプライズは、文学賞では最高額とされる賞金の辞退だった。約3分間のあいさつを終えて会場を立ち去った後、配られた書面には「賞金辞退の理由について」と書かれていた。受賞スピーチでは辞退について一言も語らなかったため、報道陣はどよめいた。
 理由については「さらに多くの作品が生まれてほしい、賞金をそのために有効利用していただきたいという願いから、賞金を辞退することに致しました」としている。同賞の目的が新人の育成などだったことから、名前の売れた自身ではない人のために使ってほしいと願ったようだ。

 公の場は、9月4日の映画「BECK」のイベント以来。全身黒の服装で緊張の面持ち。齋藤智(さとし)のペンネームで応募し、1285作の中から選ばれ「水嶋ヒロという名前を伏せた上で応募に出していたので、純粋に作品が評価された事実を何よりもうれしく思っています」。本名の齋藤智裕(ともひろ)として賞を受けた。

 そして、9月20日付で離れた前事務所について「俳優業が中心ではないライフスタイルを選んだ僕の背中を寛大な心で押してくださいました」「クビにされたなどではない」と円満退社を強調。「これからの僕は命という誰にでも当てはまり、最も大切なテーマを軸に物作りをしていきます」と誓った。

 質疑応答はなかったが、「(夫人の)絢香さんは祝福している?」と問いかけると大きくうなずいた。

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2010年11月2日のニュース