アカペラで伝えたい…阿久悠さん曲カバー発売

[ 2010年5月30日 06:00 ]

全編アカペラのトリビュート盤が発売になることが決まった阿久悠さん

 07年に他界した作詞家阿久悠さん(享年70)の名曲を全編アカペラでカバーしたトリビュート盤「歌鬼3~阿久悠×青春のハーモニー」が7月14日に発売される。ボーカルのみで歌い上げることで、いまも色あせない阿久さんの言葉の力をより際立たせた企画。「多夢星人(たむせいじん)」のペンネームで書いた希少な未発表曲も収録される。

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 トリビュートに参加したのは、ゴスペラーズやRAG FAIRといった人気アカペラグループをはじめ、コーラスワークに定評あるスターダストレビューら全8組。
 「あの鐘を鳴らすのはあなた」や「もしもピアノが弾けたなら」などスローな曲はよりムーディーに。「学園天国」「狙いうち」などアップテンポな曲は、声で打楽器風の音を出しリズムをとる「ボイス・パーカッション」の手法を交えて、原曲とは違ったムードを出している。
 目玉は阿久さんが別名義「多夢星人」で作詞した未発表曲「泣き方を知らなかった」。
 歌謡曲が大半の阿久作品の中で「多夢…」名義はニューミュージック風の雰囲気が特徴で、谷村新司(61)の「三都物語」(92年)など約20曲が発表されたのみ。この名義での活動は90年代前半に集中しており、作品としてリリースされるのは約15年ぶり。6000以上とされる阿久さんの作品の中でも極めて希少だ。
 NHK紅白歌合戦で何度も歌われている「あの鐘を鳴らすのはあなた」は、オリジナルの和田アキ子(60)も認めるゴスペラーズがカバーしている。メンバーの村上てつや(39)は「阿久さんのメッセージを伝える使徒になったつもりで歌わせていただきました。少し疲れ気味の現代人には、いつまでも色あせぬ言葉のエナジーが必要なんだとあらためて感じました」と話している。

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2010年5月30日のニュース