女優で猿之助夫人 藤間紫さん死去

[ 2009年3月27日 22:00 ]

藤間紫さん

 日本舞踊家で女優の藤間紫(ふじま・むらさき、本名喜熨斗綾子=きのし・あやこ)さんが27日午後5時26分、肝不全のため東京都文京区の病院で死去した。85歳。東京都出身。葬儀・告別式は4月末に行う予定で、場所は未定。喪主は夫で歌舞伎俳優の市川猿之助(いちかわ・えんのすけ、本名喜熨斗政彦=きのし・まさひこ)氏。

 藤間さんは今年1月12日、東京・銀座の東武ホテルで開かれた日本舞踊「紫派藤間流新年会」を催し、着物姿でにこやかにあいさつを交わしていた。その後、患っていた肝硬変が悪化。体調を崩し、今月初めから日本医科大学病院に入院、療養していた。

 父は六代目尾上菊五郎の主治医で元日本医大学長の河野勝斎氏。幼いころから舞踊家を目指し、日舞藤間流六代目宗家藤間勘十郎(後の勘祖)さんの内弟子となり、後に結婚した。
 舞踊活動の傍ら、女優としても活躍。「三等重役」「へそくり社長」など喜劇を中心に数多くの映画に出演した。
 新国劇や商業演劇など舞台出演も多く「父の詫び状」「西太后」などで存在感を示し、高い評価を受けた。菊田一夫演劇大賞、読売演劇大賞最優秀女優賞などを受賞。1994年には勲四等宝冠章を受章した。80歳を超えても舞台に出演、話題となった。
 離婚後、宗家藤間流を離れ、紫派藤間流をつくり、家元に。2000年に猿之助さんと再婚、猿之助さん門下の若手俳優を指導した。著書に「修羅のはざまで」がある。

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2009年3月27日のニュース