【落合×鈴木啓示対談】鈴木氏がプロ野球初の投手で背番号1を熱望した理由 提示された番号は拒否

[ 2024年3月8日 17:15 ]

鈴木啓示氏(右)とオレ流チャンネル「博満の部屋」で対談した落合博満氏
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  現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(70)が8日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。大好評対談企画「博満の部屋」の第6回目として、歴代4位の通算317勝を挙げた元近鉄投手・鈴木啓示氏(76=本紙評論家)をゲストに招いて対談を行った。

 鈴木氏は第1回ドラフト会議が行われた1965年に近鉄から2位指名を受けた。1巡目のみ抽選制で、2巡目からウエーバー制となり、鈴木氏は全体13番目での2位指名だった。「13番目がパ・リーグ最下位の近鉄やった。それでドラフト2位やった」と振り返った。

 落合氏が「その年の近鉄のドラフト1位は誰だったんですか?」と聞くと、鈴木氏は「電電九州で田端(謙二郎)いうピッチャーやったね。その人がドラフト1位で、私がドラフト2位であんまり期待されてなかったんや」と説明した。

 落合氏は「ドラフト2位で背番号1番を付けるっていうのは珍しいんじゃないですか?」と質問すると、鈴木氏は「ええこと聞いてくれたね」とにやりと笑った。鈴木氏は「初めは40何番やったんや。ところが“こんな番号いらん”言うたんや。何番欲しいって言われて1番くださいって言うたんや。“鈴木君、何で1番。プロ野球はね、ピッチャーは背中に2桁なかったらいかんのよ”って言われたんや。私、当時阪神ファンやったから“そんなことないですよ。阪神はバッキーが4番付けてますよ”って言うたら“あれは外国人だから”って言われたんや。“何でそんな1番欲しいんだ”って言われた時に“日本一のピッチャーになりたいねん”ってワシ言ったらしいわ。大きなこと言うとんねん」と当時のやり取りを明かした。

 落合氏が「その時、誰か1番付けてたんですか?」と聞くと、鈴木氏は「矢ノ浦(国満)さんいう、近鉄でショートしとった人が1番付けていた。その年にたまたまヤクルト(当時サンケイ)にトレードになったんや。1番が空いたんや。で、1番もろたんや」と背番号1は偶然の産物だったという。

 それでも1番を付けたことを後悔したこともあったそうで「オープン戦で押し出しのフォアボールを出したりしてさ、その時近鉄ファンが“お前、まだ高校野球のピッチャーじゃ。プロのピッチャー違う”って言われてね。ああ、1番付けんかった方が良かったんかなと思ったんやけどな」と苦笑いで振り返った。落合氏が「プロ野球のピッチャーが1番を付けたのは鈴木さんが初めてじゃないですか?」と聞くと「もちろん初めてやね」と明かした。

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