ホワイトソックス傘下マイナーの西田はキャンプ地で奮闘中、プロ2年目はハイA昇格が目標

[ 2024年2月19日 19:05 ]

ホワイトソックス傘下マイナーキャンプでライブBPに参加した西田(撮影・杉浦大介通信員)
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 ホワイトソックス傘下1Aカナポリス(ローA)の西田陸浮内野手が米国のプロ選手としての2年目をスタートさせている。

 昨年7月、日本選手として10年ぶりに大リーグからドラフト指名され、以降は会社社長兼マイナーリーガーの二足のわらじで奮闘中。アリゾナ州グレンデールの球団施設で汗を流し、さらなる飛躍を誓っている。

 18日(日本時間19日)は今春夏のライブBP(試合形式の打撃練習)をこなした。若手有望株たちを相手に安打性の打球は2本。自身の課題は「バッティングです」と述べ、トラックマンから導き出されるさまざまな数値も参考にしつつ、「相手にダメージを与えられるようなスイングをするようにと言われています」と生き生きと語った。

 昨季は8月20日から、1Aカナポリスで俊足巧打の左の1番打者として二塁手兼外野手で19試合に出場し、打率・222、0本塁打、6打点、5盗塁。守備は二塁、外野とも既にハイレベル。走塁も本人は「ベースランニングは速いですよ」と自信を見せているだけに、あとは打力が増せば、今季の目標として掲げるハイA(ローAより1つ上の1Aチーム)への昇格も見えてくる。

 「(打球初速度は)バットの芯に当たった時はたまに100マイルいくこともあります。ホームランを打った時、いちど104マイルもいきましたね。去年はこのチームには3割を打っている人はいないと思うので、今季は3割打ちたいです。あとは盗塁を多くしたいです」

 昨年8月に起業した「ワンハネ」社の社長としても歩みは止めていない。「ワンハネ」の主な事業は野球留学や編入のサポート。キャンプ中は7時に起床し、午前中は体づくり、午後にフィールドでの練習をこなすと、終了後には「ワンハネ」の仕事に勤しむ。

 「仕事はこちらの夜、日本時間の昼間にやります。午後3、4時に練習が終わってから、そのままスタバとかで仕事。ラップトップを広げて、日本の関係者や選手に“どんな感じ?”と電話を入れたり。その頃、チームメイトはみんなバーとか行ってますけど、僕は(遊びは)もういいっす」

 忙しい日々に充実感を漂わせる22歳。4月5日(同6日)に待ち受けるローAの開幕と、「ワンハネ」の事業成功に向け、1メートル68センチの小柄な身体からは熱いエネルギーが迸る。(杉浦 大介通信員)

 ◯…カレッジ時代は全米大学体育協会(NCAA)1部の強豪オレゴン大でプレーした西田。花巻東・佐々木麟太郎が名門スタンフォード大学への進学を決めると、自身のX(旧ツイッター)に「(スタンフォード大は)対戦した中で1番尊敬できるチームでした。素晴らしい選択をしたと思います」と書き込んだ。スタンフォード大の選手から佐々木が同校を訪れていたことを聞いていたという西田は、Xでの言葉の真意を話した。

 「スタンフォード大は同じカンファレンスだったから対戦があり、4、5回対戦してほぼ全部勝ったんです。それでもスタンフォードからは組織的な凄さを感じました。目的がしっかりしているし、同じ方向を向いてますよね。オレゴン大も組織としていいチームですけど、スタンフォードほどではないなと敵ながら思っていました」と絶賛。さらに「みんなは野球のことだけ期待していますが、本人は野球以外のことも頑張りたいからスタンフォード大を選んだんでしょう。めちゃくちゃいいと思います」と続け、プロ選手兼社長らしい言葉でNCAAに挑む後輩にエールを送った。

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