広島・中村貴「結果を残せるようにやるだけ」 ポスト龍馬は俺だ!! 外野の定位置獲りをアピール

[ 2024年2月9日 05:45 ]

シート打撃で広島・塹江から安打を放つ中村貴(撮影・中辻 颯太)
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 広島・中村貴浩外野手(23)が日南キャンプ第2クール最終日の8日、シート打撃でチーム唯一のマルチとなる2安打を放ち、外野の定位置獲りをアピールした。“ポスト西川”を巡る争いは、高卒3年目の田村が先行。同じ左打者の背番「97」も負けず劣らずの打力を発揮しており、朝山打撃コーチは「ポジション争いは面白い。貴浩も目立っている」とニンマリだ。

 春季キャンプ第2クール最終日に組まれたシート打撃で、中村貴が3打数2安打と気を吐いた。塹江のスライダーを右前へ運ぶと、松本のツーシームも右前へ。中でも、カウント1―2から左腕の変化球を巧みに拾った打撃がキラリと光った。

 「(2球目の)甘めのスライダーを見逃したので、その球と真っすぐを頭に入れて打った。よかったけど、先は長い。結果を残せるようにやるだけです」

 昨年5月17日に育成から支配下に昇格した23歳。1年目は出場15試合で打率・176に終わったものの、11月の実戦が圧巻だった。侍ジャパンとの練習試合で、日本ハムの左腕・根本の外角スライダーを左翼へ運び、進化した姿を披露した。

 「ポイントを後ろめ(の打撃)は続けています。今はいい感じですが、これからです」

 ミートポイントを後ろに置く打撃改造に着手し、強いスイングと長打力を内外にアピールした一撃。球を呼び込んで軸回転する特長は今春キャンプでも発揮されており、左横手からのスライダーを右前打した打撃に、新井監督は目を細める。

 「貴浩はもともと左投手をそんなに苦にしないけど、メカニック的にちゃんとできていないと、ああいう拾い方はできない。いい対応力を見せてくれた」

 “ポスト西川”を巡る争いは、3月の欧州代表との強化試合で侍ジャパンの最終候補に入った田村=写真=が先行。中村貴も遜色ない打撃をしており、朝山打撃コーチは「田村は安定しているけど、貴浩も目立っている。率は残せるんじゃないかな」と成長ぶりを認める。

 「レギュラーどうこうより、結果が残るように、その日の映像を見て修正しながらやるだけ。人は人で、いいんじゃないですか」

 ベテラン・松山のもとで自主トレを共にした3歳年下の巧打者が注目を集めても、中村貴は至って無頓着。朝山打撃コーチは、期待感を込めて言う。

 「ポジション争いは面白い。2人で切磋琢磨(せっさたくま)してくれれば」

 競争はチーム力を高める。外野の定位置を奪うのは果たして。戦いは既に始まっている。 (江尾 卓也)

 ◇中村 貴浩(なかむら・たかひろ)2000年(平12)4月9日生まれ、福岡県出身の23歳。九州国際大付では1年夏の甲子園でベンチ入りも出場機会なし。九産大では3年秋の福岡六大学野球リーグで本塁打と打点の2冠。22年育成ドラフト2位で広島入りし、23年5月17日に支配下選手に昇格。1軍通算15試合で打率.176、3打点。1メートル77、87キロ。右投げ左打ち。

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