広島ドラ1・常広 出た、初ブルペンで150キロ「ここから球の力が強くなっていくと思います」

[ 2024年2月8日 05:45 ]

広島・常広のブルペン投球連続合成写真
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 広島のドラフト1位・常広羽也斗投手(22=青学大)が7日、宮崎・日南2軍キャンプで初めてブルペン入りした。新井貴浩監督や藤井彰人ヘッドコーチらが視察する中、最速150キロを計測して1軍首脳陣を驚かせた。学業優先で調整が遅れていたために2軍発進となっていた中、1軍首脳陣を安心させる投球内容で早期の1軍合流をアピールした。

 まだ全開ではないからこそ、常広の底知れぬ器の大きさが強調された。現在の仕上がり度合いは「6、7割」、投球練習の力感は「7、8割」だと言う。それにもかかわらず、ブルペン投球を計測したラプソード(弾道測定分析機器)が衝撃的な数値を計測した。直球の最速が150キロを示していたのだ。

 「球速は気にしていないけど、体が動いている証拠だと思うので良かった。同じ7、8割(の力感)でも、ここから球の力が強くなっていくと思います」

 卒業単位取得のため学業優先で調整が遅れており、プロ初キャンプは2軍発進となった。広島・廿日市市内の大野練習場などで行われた第1クールで1度ブルペン入りし、迎えた日南初の投球練習。2軍の拠点である東光寺球場には新井監督、藤井ヘッドコーチだけでなく、佐々岡前監督(本紙評論家)や安仁屋宗八、山崎隆造の両氏らレジェンドOBが集結。2軍キャンプでは異例の環境が注目度の高さを示していた。

 直球中心にカーブやフォークを交えて37球を投じた。11球目からは左膝の故障で3軍調整中の末包が右打席に入った。「力感なく結構強い球が来る。フォークも嫌だなと印象を受けた。前評判通りです」。昨季11本塁打の大砲は速球だけでなく、直球の軌道からストンと落ちるフォークにも目を丸くしていた。

 捕手後方から投球を見守った新井監督は「ゆったりした力感で、最後のリリースの瞬間に力を伝えられる。素晴らしい」と高く評価した。投球後には「焦らなくていいよ」と伝えた一方で、「体調も問題ないということなので、いつかは決めていないが(1軍)合流を考える」と明言。早ければ、10日の第3クール以降の合流が検討されることになった。

 常広自身は「コンディションはまだ出来上がっていないが、1軍でやりたい気持ちは持っています」と偽らざる心境を明かした。1軍キャンプでは、実戦形式の投球練習が始まったばかり。155キロ右腕の全力投球を見せるまでもなく、1軍首脳陣に開幕ローテーション入りを想像させた。 (河合 洋介)

 ◇常広 羽也斗(つねひろ・はやと)2001年(平13)9月18日生まれ、大分県出身の22歳。小3で野球を始め、南大分中時代は大分リトルシニアに所属。大分舞鶴では甲子園出場なし。青学大では2年春からリーグ戦に登板し通算8勝。23年の全日本大学野球選手権で優勝に貢献しMVPと最優秀投手。23年ドラフト1位で広島入り。1メートル80、77キロ。右投げ右打ち。

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