ソフトB・和田 開幕投手への「道筋」見えた 初ブルペンで21球「出力を抑えるのが難しかった」

[ 2024年2月7日 05:00 ]

ブルペン投球するソフトバンク・和田(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクの和田毅投手(42)が6日、今年初のブルペン投球に臨んだ。捕手を立たせたまま4、5割の力で背番号と同じ、21球。1月の自主トレで左脇の張りを訴え調整が遅れていたが、小久保裕紀監督(52)から開幕ローテーションを通達されていたことで、回復を最優先させる選択が吉と出た。開幕前に100球を投げる復帰プログラムも完成。自身5度目となる開幕投手への“挑戦権”はしっかり手にしている。

 気持ちは抑えたい。ただ、百戦錬磨の42歳でもはやる気持ちは抑え切れない。今年初のブルペン投球だった。和田の投球間隔は10秒を切る場面もあった。トレーナーに制限された20球を投げ終えると、「最後、浮いたので」と“おかわり”の1球。自身の背番号と同じ、21球に納得と安心の笑みが浮かんだ。

 「軽めのキャッチボールみたいな感じ。傾斜で投げられたのは良かった。問題ない。(逆に)出力を抑えるのが難しかった」と和田。最後は投球の歩幅を確認し「出力が上がると6歩半くらいになるけど、6歩だった。4、5割の力でした」と制御できていたと知り、満足げに笑った。

 1月の長崎自主トレ中に左脇の張りを訴えた。例年ならば開幕ローテーション争いへある程度、痛みを抱えたまま強度を上げる必要はある。だが、今季は小久保監督から有原とともに開幕の「内定通知」をもらっていたことで「一度、落として段階を踏んで張りが出ないようにしました」とスロー調整を選択。ゼロベースで見直したことで、再発の不安はほぼ、なくなった。

 このまま、順調に立ち上げていけば開幕前に「100球を投げられる」とメドは立つ。昨季10勝を挙げた有原と事実上の一騎打ちとなる開幕投手も「勝負できる準備が整えば考えられる状況になる。自分が開幕に向け100%の状態になるように頑張りたい」と意欲は維持したままだ。

 「監督、コーチが代わったといって横一線のスタートはない。実績を上げた人にアドバンテージがあるのは当然。そこは監督と一致しています。(和田は)心配していないです」と倉野1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーター。小久保体制からいい意味の“特別扱い”を取り入れたことが、今回、和田の調整の追い風になった。

 投手陣の守備練習は「誰も行かないので“じゃあ最年長から”と行きました」と異例の1番手を務めるなど、背中で引っ張る。今月21日には43歳の誕生日を迎える。「もう、おじさん」と笑うが、宮崎で見せるその動きは言葉とは正反対だ。
 (福浦 健太郎)

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