ソフトB・中村晃 Vもレギュラーも奪う!現状維持の1億5000万円+出来高でサイン

[ 2023年12月8日 05:05 ]

<ソフトバンク契約更改>会見する中村晃(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクの中村晃外野手(34)が7日、ペイペイドーム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、昨季結んだ2年契約の2年目を現状維持の年俸1億5000万円プラス出来高払いでサインした。今季も4年連続で一塁手としてゴールデングラブ賞を獲得しながらも、来季はレギュラー当確ではない現状に受けて立つ構え。攻守に安定しての活躍で定位置獲りとともに、4年ぶり優勝へ並々ならぬ決意をにじませた。 

 確約されていないならば奪うのみだ。小久保監督は秋季キャンプで「レギュラーは柳田と近藤だけ」と若手野手陣の競争心をあおった。その話題を振られると中村晃は静かながら、内面の熱い闘志をちらつかせた。

 「それが普通。絶対的な数字も残していないし、それは当然でしょう。僕が監督でも、そうだと思います」

 来季は高卒17年目の35歳シーズン。2年契約の2年目となるが、来年2月1日のキャンプインから受けて立つ。今季は一塁手と外野で136試合に出場。打撃面で際立つ数字こそ残してはいないものの、ロッテ佐々木朗対策としてリードオフマンとして定着した時期もあった。

 守りでは一塁手部門で4年連続のゴールデングラブ賞を獲得。「しっかりスタメンで出られて久々の1番もあったし、まずまずのところかな」と回顧したが、来季の定位置は保証されていない。レギュラー奪取は当然だが、常にチームのことを考える男は、V奪回にも飢えている。

 「オリックスに3連覇を許し、悔しい。やっぱり優勝。優勝を知らない選手も出てきたし、優勝がしたいと思います」。ならば頂点に立つためには何が必要か。凡事徹底だと説く。「普通のプレーをミスなく。一試合一試合出ての集中、積み重ね。ヒットを打たないと試合に出られない。一本一本をやっていく」。20年以来のリーグ優勝、日本一の明るい景色を知るからこその主張だ。

 中村晃の入団3年目、10年のオフに米アリゾナ自主トレを誘ったのが現役時代の小久保監督だった。「プレーに対するメンタルが強い」と評価。鍛え上げて11年から1軍定着につながった。そんな転機をくれた指揮官の思いにも当然、賛同する。

 小久保監督は新入団選手に「チームに貢献するという言葉は使わなくていい。勝利に導くのは私」と伝えている。中村晃は選手個人の成長が組織の上昇と受け止める。「勝たせるのは監督なんで。まずは、自分のことをやります。強いチームは、全員がレギュラーを獲るんだの気持ちでキャンプに入ってくる」。優勝のための競争は大歓迎。動じずに気概を示し続けていた。
(井上 満夫)

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