広島 黒田博樹氏と球団アドバイザー契約更新「まだまだ伸びる素材のいい選手がたくさんいる」

[ 2023年12月8日 05:20 ]

2月11日、春季キャンプで森浦(左)にアドバイスを送る黒田球団アドバイザー

 広島OBの黒田博樹氏(48)が7日、球団アドバイザーとして新たに単年契約を結んだ。球団からの更新要請を受け、広島市南区の球団事務所で契約書にサイン。「自分も勉強しながら、一緒に上達していけたら」と語った。昨年12月に就任し、春秋のキャンプや2軍施設に足を運ぶなど精力的に活動。日米通算203勝の知識と経験を惜しみなく伝え、若ゴイの成長を引き続きサポートする。

 成長過程にある若手選手はもちろん、2年目に臨む新井カープにとっても朗報だ。黒田氏が来季も引き続き、球団アドバイザーを務めることが決まった。球団からの更新要請を受け、球団事務所を訪問。新たに単年契約を結んだ。

 「球団から“来年も”という話があったので、契約書にサインさせてもらいました」

 盟友の新井監督から熱心に請われ、昨年12月に就任。以来、シーズン中から時間を見つけてはマツダスタジアムや2軍の由宇球場、大野練習場に足を運んできた。秋季キャンプの前には選手面談にも参加。宮崎・日南に出向いて助言を送った。

 「2軍選手(の力)が上がってこないと、チームとしてはしんどい。まだまだ伸びる素材のいい選手がたくさんいるので、そういう意味では楽しみです」

 チームの底上げを図るのに「秋は絶対に大事」と強調する。面談で意向を確認し、投球データなどを踏まえ、成長途上の若手投手に(1)腕を下げるフォーム改造(2)変化球習得などを助言した。先発候補には(3)投げ込みの重要性を説き、黒原や森が130球超を投げた。

 「彼らは何かを変えないといけない、思い切って踏み込まないといけない立場にあるから、秋季キャンプに来ていると思う。少しでも響いた選手がいるなら、良かったな…と」

 それらの助言は決して強制ではない。輝かしい日米通算203勝の過程には、殻を破れず苦しんだ若手時代の原体験がある。現場首脳陣をリスペクトし、配慮しながらのサポート。選手の手助けは惜しまないが、取捨の判断は本人の意向を尊重するスタンスだ。

 「教えることは難しい。時代は変わった。自分も勉強しながら、一緒に上達していけたら。選手としての立場は1年ごとに変わってしまうので、立ち位置を早く確立して頑張ってほしいと思います」

 チェンジアップの軌道を直球と同じに…という黒田氏の助言と本人の努力で、今季は島内がブレークした。家族の一員であり続けるレジェンド。確かな目と的確な助言で、若ゴイの成長と新井カープの躍進を陰で支える。 (江尾 卓也)

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