ソフトバンク・近藤 悲願のGG初受賞「ずっと欲しかった賞」 本塁打王、打点王、最高出塁率と合わせ4冠

[ 2023年11月11日 05:00 ]

初のゴールデングラブ賞に選出されたソフトバンク・近藤
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 守備のベストナインを選ぶ「三井ゴールデン・グラブ賞」が10日に発表された。パでは12年目のソフトバンク・近藤健介外野手(30)が、悲願の初受賞。本塁打王、打点王、最高出塁率と合わせ「4冠」となった。

 近藤のプロ野球人生は捕手で始まった。日本ハム時代の14年5月2日のオリックス戦(札幌ドーム)、小谷野(現オリックス打撃コーチ)の故障で三塁へ緊急コンバートされ、運命は動き始める。1メートル71だが、パンチ力はあった。守備の負担が軽減され、打撃が開花。レギュラー定着のきっかけとなった。さらに三塁から外野へ。そしてプロ12年目の今季、新天地で初の守備タイトルをつかんだ。

 「ずっと欲しかった賞なので、本当にうれしく思います。守備にそれほど自信があるわけではありませんが、打撃だけでなく守備でもチームに貢献したいという思いで1年間プレーしてきました」

 今季、FA移籍したソフトバンクでは26本塁打、87打点、出塁率・431の3冠を獲得する大活躍だった。ただ、この賞はそれとは違った喜びがある。外野手として完全に定着した16年に「目標は打力でアピールしながらチームに勝ちをつけられる捕手。捕手をやることしか考えていない」と再コンバートを熱望したことがある。守備位置は変わったものの、守りで勝利に貢献したことが、投票で証明された。この結果は近藤の心を充足させる「4冠」となった。

 実際に守りでチームの危機を救った。7月に12連敗を喫するなど、優勝争いから大きく後退した9月。打線のてこ入れのために相手先発投手の左右によって、オーダーが大幅に変わることがあった。この影響で本職の左翼だけではなく、首脳陣に中堅の守備も打診され、快諾。自身初の全試合出場も果たすなど、チームのために動き続けた1年だった。

 コンバートを繰り返したこともあり、守備の印象は薄いが、数字は証明している。107試合で外野を守り、失策はわずか1。守備率・996は誇れる記録だ。また、捕手、三塁手としても武器だった強肩で7補殺はリーグ最多タイだった。

 「もっと練習して、続けて受賞できるように頑張りたいと思います」。近藤の心にまた、新たな野望が生まれた。その“変化”は来季4年ぶりの頂点を狙うチームの力になるはずだ。

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