阪神・岡留「野球できないんじゃないかと…」 2月失意の降格乗り越えつかんだプロ1勝

[ 2023年10月2日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神6-5広島 ( 2023年10月1日    マツダ )

<広・神>力投する岡留(撮影・岸 良祐)
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 ウイニングボールを手にした阪神・岡留は満面の笑みを浮かべていた。2番手として4回から登板。プロ最長となる1回1/3を1失点だった。味方打線の援護も受けて通算8戦目にして初勝利を手にし「実感は湧かないですけど、うれしい」と声を弾ませた。

 苦しんでつかんだ待望のプロ1勝目だった。今年2月の春季キャンプは初の1軍スタート。しかし2月18日DeNAとの練習試合では9回に登板し、先頭から2者連続で四死球を献上した。制球に苦しみ1死も取れず、わずか10球で降板。試合後に岡田監督は「悪影響を及ぼすからな、チームに」とキッパリ。降格を通告され、1軍キャンプ地の宜野座を後にすると、そのまま開幕も2軍で迎えた。

 「野球できないんじゃないかとまで思った」

 ただ、落ち込んでいる暇もなかった。以降は投球時に指先に感じる小さな違和感まで細かくノートにメモを取り、投球動作を分析するために体のメカニズムも一から猛勉強。シーズンに入っても「投げる怖さはある」が口癖だった2年目右腕が「自分のボールを投げられれば、抑えられる」とこの日、はっきりと言えるまでに制球難を克服した。

 沖縄県出身の23歳。「ウイニングボールはとりあえず実家に送ります。もっとチームの力になれるようにやっていきたい」。チームの救援陣の中では唯一の変則右腕が、確かな第一歩を踏み出した。(石崎 祥平)

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