能見篤史氏が見た「中嶋マジック」の正体 徹底したのは「選手をどう伸ばすか」 だから3連覇できる

[ 2023年9月20日 21:25 ]

パ・リーグ   オリックス6-2ロッテ ( 2023年9月20日    京セラD )

能見篤史氏
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 オリックスは20日、ロッテに勝利し、パ・リーグ3連覇を達成した。球団では75~78年の4連覇以来で、イチローを擁した95、96年の連覇を超えた。最下位翌年からの3連覇は史上初のことで、中嶋監督の手腕なしには語れない。巧みな用兵で勝利をもたらす「中嶋マジック」。その正体を、昨年まで2年間、投手兼任コーチを務めたスポーツニッポン評論家の能見篤史氏に聞いた。

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 一番は本当に選手のことをよく見ている。そして、2軍から上げたらすぐに使う。上げるにしても、チーム状況で何が必要なのかを考えて上げています。その辺のマネジメントですね。

 今はiPad(アイパッド)で2軍の試合をちゃんと見ているんですよね。監督業で忙しい中でも見ているのが、選手にとっては大きい。コミュニケーションの取り方も、外から見るのと中にいるのとでは、全然違います。めちゃめちゃシャイですけどね(笑)。

 記者との接し方も、外に漏らして得するものでなければ絶対に言わないですよね。(選手と爆笑している姿)あれが普通なんですけど、その辺はきちんとしていますし、選手は守られている。コメントも悪いことは絶対に言わないですし、ミスした時も「こっちの指導不足」とか、そういう言葉が出てくる。選手には一番良い状態で出して上げたい、という気持ちが一番なので。

 何通りにも打順は替わりますよね。僕らが思っているよりも先のことを見ているので、全然読めなかったですね。

 似たようなタイプの監督?いないですね。それぞれみんな個性がありましたが、これがパ・リーグだからなのか。阪神だと周りが放っておかないのもありますし。選手により近いですね。

 コーチ会議はもちろん毎日です。勝っている時は短いですが、長いときは長いですよ。でも、コーチ陣も監督もあの場でリセットする。それは徹底していましたね。意見も出し合って。腹立つこともあったと思うけど、そこで次の日には持ち越さない。基本は選手をどう伸ばしていくのか、です。それが一番大きい要素かもしれないですね。(談)

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