広島・島内 50試合ぶり被弾が痛恨すぎた…自力V消滅も新井監督は責めず「こういう日も」

[ 2023年9月2日 05:02 ]

セ・リーグ   広島3-5中日 ( 2023年9月1日    マツダ )

<広・中>8回2死一、二塁、降板する島内(撮影・平嶋 理子)
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 広島は1日、敵地で14連敗中だった中日にマツダスタジアムで痛い黒星を喫し、自力優勝の可能性が再び消滅した。同点の8回に救援登板した島内颯太郎投手(26)が、カリステに決勝弾を浴びるなど2失点。4月1日のヤクルト戦以来となる今季2本目の被弾に沈んだ。チームは2連敗となり、ヤクルトに勝った首位・阪神とは6・5ゲーム差の窮地に。それでも、希望を求めて前進するしかない。

 打球が左翼ポール際へ吸い込まれると、島内の表情は苦渋にゆがんだ。同点の8回1死からカリステに浴びた2号決勝弾。ミスが許されない場面で犯した制球ミスを悔いた。

 「(捕手の)坂倉はボール要求。僕が投げ切れなかったということ。チェンジアップを2球続けた時の反応を見て、ボール球なら打ち取れるかなと思ったけど、一番ダメな甘いゾーンに行っては…」

 序盤3回に来日1号を放ったばかりの2番打者に、3球続けたチェンジアップを痛打された。2球で2ストライクと追い込みながら、3球目が内寄りに甘く入る痛恨。2死後、さらに一、二塁とされ、木下の中前適時打で重い2点目を失った。

 広島の必勝パターンを担い、リーグトップの36ホールドポイントを挙げている右腕。被弾は今季初登板の4月1日、ヤクルト戦でオスナに打たれて以来50試合ぶりの2本目で、5月にセットアッパーに定着して以降は初。イニングの頭から登板し、その回を投げ切れずに途中降板するのも今季初めてだった。

 3点劣勢から中盤に一時追いついていただけに、痛い継投失敗。連敗は2に伸び、首位・阪神が勝ったため、自力優勝の可能性は再び消滅した。試合前の時点で50試合に登板し、防御率1・52を誇った右腕が喫した黒星に、新井監督は「いつも抑えてくれているので、こういう日もあります」と責めなかった。

 前日、8月31日。島内は巨人戦の岐阜遠征を外れ、ひと足早く広島へ帰った。直前のヤクルト戦で3連投し、巨人戦でも2連投。体調面や疲労を首脳陣が考慮したもので、島内自身は「体は、今日は元気でした。ただただ自分の実力不足です」と言い訳しなかった。

 「チームとして一つの負けが大きく響く時期。もうひと踏ん張りし、ラストスパートの時期だと思うので、次は抑えるという気持ちを持ってマウンドに上がりたいと思います」

 シーズン佳境。“休養明け”が皮肉な結果を生んでも、右腕は必死に前を向く。無論、ナインもまだ勝負を諦めてはいない。

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