能見篤史氏 阪神・岩貞はらしさがなかったことが残念 逃げている、かわしているように見えた

[ 2023年7月16日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神4-6中日 ( 2023年7月15日    甲子園 )

<神・中>9回、マウンドに集まる岩貞(左から2人目)ら阪神ナイン (撮影・須田 麻祐子)
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【能見篤史 視点】 2点リードの9回は阪神・岩崎ではなく岩貞がマウンドに上がった。プロ初のセーブ機会での登板で2失点。残念なのは救援失敗という結果ではなく、岩貞らしさがなかったことだ。

 先頭の福田に四球。フルカウントからの7球目のスライダーだった。続く福永にもスライダーを中前打された。1死二、三塁となり岡林に一、二塁間を破られたのも、初球のスライダーだった。

 真っすぐを投げろということではない。直球も変化球も両方使う必要がある。でも逃げている、かわしているように見えた。本来は目いっぱい腕を振ったストレートで押していくのが持ち味なのに、この日は岩貞の良さが出ていなかった。私の経験でも8回と9回では全然違ったし、岩貞もその重圧を感じていたのだろう。いつものように…と思っても、慎重になり、丁寧にと思い、結果として、いつもと違う投球になってしまう。ゲームを締める難しさは、経験しないと分からない。

 先頭の福田に一番いけないのが四球で出塁させること。安打なら仕方がないし、連打は普通はありえない。四球、失策が絡むとこうなる。真っすぐをファウルされてフルカウントまで粘られたが、力で押し込めていた。仮にソロ本塁打を打たれても、まだ1点リードだと割り切れれば結果は違っていたと思う。(スポニチ本紙評論家)

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