パナソニック・与座 完封一番乗り!西武の弟・海人と同日好投「出来過ぎです」

[ 2023年7月16日 05:10 ]

第94回都市対抗野球第2日1回戦   パナソニック3ー0JR東日本 ( 2023年7月15日    東京D )

<パナソニック・JR西日本>横手から力投するパナソニックの先発・与座(撮影・木村 揚輔)
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 1回戦3試合が行われ、パナソニック(門真市)が3―0でJR西日本(広島市)に快勝した。西武・与座海人投手(27)の兄、先発の与座健人投手(29)が6安打1四球の好投で今大会完封一番乗りとなった。

 力強く、軽快に。右横手から繰り出す球が試合を支配した。9回2死。最後の打者を三飛に打ち取り、スコアボードに9個の「0」を並べ、与座は控えめな笑みをこぼした。

 「最少失点でとは思ったけど、完封は出来過ぎです」。これが東京ドーム初勝利。それどころか沖縄尚学、関西国際大時代も含めて全国大会での初勝利を初完封で飾り「1回ずつ抑えて後ろにつなごうと。でも、1人で行く気持ちも持っていた」と振り返った。

 コンパクトなテイクバックから力感なく腕を振り抜く。威力を発揮したのは打者の手元で伸びる直球。「直球がよかったので直球を中心に、力まないように」。初回、連打で1死一、二塁とされても慌てない。4番・田村を146キロ直球で詰まらせて遊ゴロ併殺。最速147キロをマークした直球は最後まで衰えず、6安打1四球でJR西日本打線を封じた。

 2歳下の弟・海人は西武のサブマリン。プロと社会人でプレーの場は違うが「お互い頑張って、いろんな人に喜んでもらいたい」という思いがある。社会人8年目。4年前に上手から横手投げへ転向したが、下手投げの弟の影響ではない。入社4年間は試合に出られず「クビになってもおかしくなかった」。何かを変えなければという背水の転向で、横手のパワー系投手の動画を研究。腕を下げても球威は落ちず、制球が安定するフォームを習得した。大舞台での快投に元日本ハムの金森敬之監督も「試合を支配し、よく投げきってくれた」と絶賛した。

 弟もこの日、ナイターの日本ハム戦に先発し7回を無失点と好投。与座が、運命的な日に今大会完封一番乗りを果たした。(秋村 誠人)

 ◇与座 健人(よざ・けんと)1993年(平5)7月17日生まれ、沖縄県出身の29歳。浦添中では軟式野球部に所属。沖縄尚学では3年夏の沖縄大会4強が最高戦績。関西国際大では2年春からエースで通算20勝無敗もプロ志望届は提出せず、パナソニック入り。1メートル75、76キロ。右投げ右打ち。

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