ファンから愛された名曲を自分のものに…“枡田の応援歌”受け継ぐ楽天・小郷が誓う「活躍」

[ 2023年6月24日 08:30 ]

個人応援歌を要望した楽天・小郷(球団公式ツイッターより)

 夕暮れの神宮球場で、何とも言えない“違和感”を感じた。19日のヤクルト―楽天戦。楽天・小郷が打席に入ると左翼席から聞き覚えのあるメロディーと歌詞が聞こえてきた。

 この試合でお披露目された新応援歌に「なんか聞いた事あるぞ。何だっけ?」と少しモヤモヤしたが、すぐにスッキリした。「これ、枡田の応援歌じゃん」。懐かしいと感じた理由は、06~18年まで楽天でプレーした枡田慎太郎の応援歌を復活させたものだったからだ。

 ♪栄光つかむために―、で始まる応援歌はロッテ担当時代に当時のKスタ(現楽天モバイル)で何度となく耳にした。ビジター球団の担当記者でありながら、ついつい口ずさんでしまう少しメロウなメロディー。枡田の勝負強い打撃の記憶もよみがえってきた。平成の時代にファンに愛された“名曲”が、5年の時を経て令和になってリニューアルして復活することになったのだ。個人応援歌は小郷にとって悲願だった。

 「個人の応援歌ができるって、やっぱりプロ野球選手の証というか一人前というか。同期のみんなは応援歌があるのに、自分だけなかったんで。正直、ずっとうらやましいなと思っていました」

 それまでは「汎用」の応援歌が使用されていたが、意を決して応援団に向けて「応援歌がほしいので。よろしくお願いします!」とリクエスト。すると、ヤクルト戦で立正大で同期だった伊藤裕とともに新応援歌がお披露目された。夢がかなった小郷は「めっちゃうれしいです。打席に入るときにモチベーションが上がります」と目を輝かせて喜んた。

 ファンも同じ思いだった。宮城県出身で芸能界きっての楽天ファンでもある乃木坂46・久保史緒里は、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組「オールナイトニッポン」(21日深夜放送分)で「枡田慎太郎選手という今は宮城でおでん屋さんをやられている凄い選手がいたんですけど。その選手の応援歌が人気だったんです、当時は。その応援歌を小郷さんが受け継ぐということで。歌いに行きたい!わたしも球場に!そういう楽しみができた」と早速、紹介していた。

 筋金入りの「犬鷲党」でもある記者の友人も、すぐさま反応していた。ヤクルト戦の直後に「慎太郎の応援歌、大好きだったから。復活してまた歌えるようになって、マジで最高だよ」を興奮気味に話していた。ちなみにヤクルト戦では安田が打席に立った際、その日限定でウィーラーの応援歌も流れ、個人的にはこちらも“胸熱”だった。

 ファンから愛された名曲を受け継ぐ小郷は「枡田さんの応援歌ということは知っていました。使わせていただくからにはしっかり活躍して、いつかファンのみなさんに“小郷の応援歌”と言ってもらえるよう頑張ります」と表情を引き締めた。

 楽天モバイルの関係者通路で小郷に話を聞き終えたタイミングで、たまたま目の前を今江打撃コーチが通り過ぎた。その瞬間に「そういえばロッテ時代の応援歌、好きだったなぁ…」と応援歌が頭の中で流れた。プロ野球において、いつの時代も応援歌は球場の盛り上がり、そして思い出をよみがえらせる重要なファクター。みなさんは、どのチームの誰の応援歌がお気に入りですか?
(記者コラム・重光 晋太郎)

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