ドラフト候補の大阪観光大・久保外野手 走攻守で輝き放つダイヤの原石「肩と守備」なら誰にも負けない」

[ 2022年10月17日 06:00 ]

走攻守で魅力の大阪観光大・久保

 【連載・10・20運命のドラフト会議 逸材ファイル<上>】今年のドラフト会議は20日に開催される。すでに高松商・浅野翔吾、早大・蛭間拓哉、白鴎大・曽谷龍平、日体大・矢沢宏太らの1位指名が公表されているが、他にも逸材は各地に雌伏(しふく)している。スポニチでは「逸材ファイル」と題し、有望なドラフト候補を上中下3回にわたって紹介。第1回は大阪観光大・久保修外野手(22)。

 大阪観光大のシートノックを見れば、どの選手が久保なのか、一目で分かる。遠投120メートルの強肩から放たれる外野からの矢のような送球は、すでにプロのレベル。NPBの複数球団から調査書が届き、同校初のプロ野球選手誕生も間近だ。
 「楽しみな半面、不安の方が大きいです。当日は緊張すると思います。肩と守備なら、誰にも負けない自信はあります」

 恩師2人の言葉が、久保をドラフト候補にまで押し上げた。石見智翠館(島根)卒業後はいったん「野球を辞めようと思っていた」という。だが末光章朗監督から「絶対に大学で伸びる」と背中を押され翻意。左足首捻挫で練習ができず、グラウンドから距離を置いたことがあった大学2年時にはヤクルト、巨人などでコーチを歴任した伊勢孝夫特別アドバイザーから「ワシの夢は、おまえがプロに行って、活躍すること」と熱い思いを打ち明けられ、発奮した。

 気の迷いも晴れ、そこからは一心不乱に野球に没頭した。グラウンド外でもYouTubeを駆使してトレーニング法を自習。地肩の強さに加え、徹底的に手首と前腕を鍛えたことで右手の握力は75キロまでアップし、レーザービームの礎となった。加えて50メートル走は5秒9。「課題」と口にする打撃でも今春リーグ戦で打率・349、2本塁打を記録し、自信を深めた。パンチ力も持ち味だ。

 目標とする選手は同じ右投げ右打ちの外野手であるカブス・鈴木誠也。「走攻守そろった選手が目標。いずれはゴールデングラブ賞、トリプルスリーを狙える選手になりたい」。球界を代表するスターになる可能性を秘めたダイヤの原石が、吉報を待つ。 (北野 将市)

 ◇久保 修(くぼ・しゅう)2000年(平12)9月29日生まれ、大阪府河内長野市出身の22歳。千代田小2年からジュニア千代田で野球を始め、千代田中では河内長野ボーイズに所属。石見智翠館では2年夏からベンチ入りし、3年春からレギュラー。最高成績は3年夏の県大会準優勝。高校通算9本塁打。大阪観光大では1年春からリーグ戦に出場し1、2部で通算7本塁打。1メートル81、81キロ。右投げ右打ち。

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