【阪神・矢野監督一問一答】 湯浅へのマウンド激励明かす「ドラマつくるなあ。お前に賭けている」

[ 2022年10月10日 18:46 ]

セCSファーストステージ第3戦   阪神3―2DeNA ( 2022年10月10日    横浜 )

セCS1<D・神>3回、ベンチの矢野監督(撮影・島崎忠彦)
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 阪神が2点劣勢をはね返して逆転勝ちをした。1点優勢の9回1死満塁。矢野監督は自らマウンドへ向かい、湯浅を鼓舞。直後の打者、代打・藤田が二ゴロ併殺に倒れ、勝利が決まった。2勝1敗としてファーストステージ突破。12日からのファイナルステージでセ・リーグ優勝のヤクルトと対戦する。

 矢野監督と報道陣の主なやりとりは以下の通り。

 <インタビュー>
 ―監督の目が充血している。熱い戦いだった。
 「そりゃするでしょ。選手たちがみんなでつないで、必死にやってくれたんですから。こんなにうれしいことはないです」

 ―最後の場面、湯浅がDeNAの重圧をはねのけた。
 「湯浅が今年成長してくれたおかげでここまで来られましたし、どんなことが起こっても託すには申し分がピッチャーなんで。打たれようが、どんな結果になろうが、それを受け止める気持ちでいました。その中でも向かって行ってくれましたね」

 ―監督自らマウンドに足を運んだ。どんな声をかけたのか。
 「“ドラマつくるなあ”って言って。“もう行くしかない、強気やって。思い切り楽しんで、この場面、お前に賭けているから、どんな結果でもいいから、思い切って行ってくれ”って、そんな声をかけました」

 ―湯浅はどんな表情でその言葉を聞いていたか。
 「行った時から笑顔で迎えてくれたというか、笑顔になったんで。いい顔をしているなと思いました」

 ―1勝1敗で迎えた第3戦は、どんな思いで臨んだのか。
 「僕個人としては退任を発表してから、毎日毎日、“今日が最後、今日が最後”と思って来ましたけど、負ければ明日がもうない状態でしたし、この選手たちとやりたいなという欲が出てきたので、そういうところの複雑な思いがありましたけどね」

 ―この3戦は若い投手が躍動した。
 「いや、もうみんなですよね。ほんとにそれぞれが粘ってくれましたし。その中でも純矢(西純)が昨日に続いて行ってくれましたし。うん、もう本当に申し分ないです」

 ―佐藤輝が流れを変える一発を打った。
 「まさか行くとは思いませんでしたけど、風もフォローだったんでね。あれでちょっと流れが変わることになりましたね」

 ―近本はバント失敗を取り返した。
 「近本があんなガチガチになってバントをするのは、なかなか見られないんで(笑)。でも、そのあと必死に食らいついて、取り戻してくれたんで。はい、頼もしいですね」

 ―原口もらしいバッティング。
 「いや、もう原口は執念の男なんでね。ああいうところで、やってくれるといつも思ってましたし。期待通り、打ってくれましたね」

 ―終盤は守備で流れを止めた。
 「近本もよく守ってくれましたし、タカヒロ(熊谷)もいいプレーをしてくれました。俺たちの野球は“全員野球”だと掲げていますけど、よく試合の中で、それぞれがそれをやってくれたと思います」

 ―今季苦しんだハマスタでやり返した。
 「そういうこともあまり考えずというか、目の前の試合に対して必死にやってくれたんで。それが結果にこうやってつながって、本当にうれしいです」

 ―CS進出のときはめちゃくちゃうれしかったと。ファイナル進出を決めた今の心境は?
 「面白くなったなってね。甲子園に帰って日本シリーズを、ファンの皆さんに見せたいですし、僕自身も経験したいんで。もう一度、そこへ向けてチーム全員でファイナルを戦っていきます」

 ―常に夢と理想を語り続けてきた。夢の続きは?
 「選手たちがこんなドラマをつくってくれているんでね。開幕の苦しいところからここまで来たというのを含めて、選手たちがあきらめずにここまでやってくれたドラマだと思うので。だからまだドラマは終わらないと思うんで、全員で夢と理想を追って、最高のドラマを起こしてきます」

 <ペン取材>
 ―6回は北條の二塁打も大きかった。
 「まあね。アイツも一緒にずっとやってきて、何か流れを変えられる男やし、普段、試合に出ない時もベンチのムードを一番つくってくれるヤツなんで。まあ、そういうところでは、任していいんじゃないかなと。いい流れをつくってくれたかなと思います」

 ―原口は第1戦、第2戦とあまり状態がよくないようにも見えたが、ああいう場面になると勝負強さが出る。
 「ああいう場面もそうやしね。全部が結果が出るわけじゃないけど、いつも必死なんで。湯浅もそうだけど、任せていいという姿を見せてくれているんで。もう任せるだけかなと。本当、よく打ってくれました」

 ―投手陣は今日もスペシャルな継投だった。
 「どこまで、どうするか(投げさせるか)は、本当に難しいし、延長も考えないとダメだし。まあ、そういうところで難しかったけど。まあまあ、純矢(西)が本当、あそこを粘ってくれたっていうのが大きかったし、まあ、全員なんやけど。全員なんやけどね。純矢があれだけ投げてくれたのは、延長戦にもつれこんだ場合を考えると、余裕を持てたので、まあ、大きかったかなと思います」

 ―昨日今日と西純を起用した。状態の良さを感じてる。
 「(リーグ)終盤に中(中継ぎ)を経験した。初めてだと、ケース的に浮き足立つとかあるかもしれないけど、そういうのを、あいつの中でプラスにしてくれてるところもあると思う。先発ピッチャーだけど、来年以降も含めて、“中継ぎはこんなにしんどいんだ”、“一個のアウトがこんなに大変なんだ”ってね。もちろん先発もそうなんだけど。中継ぎは一つのアウトがより重いんで。それを、あいつ自身が知れる経験ができてるのは大きいと思う。来年は先発でいっぱい勝ってるピッチャーになってるやろうから、この経験は生きると思うので」

 ―守りは近本や熊谷など随所に執念が見えた。
 「執念というか、いいプレーが出た時にそうなるけど、みんな執念持ってやってくれてるし。結果的にウチが勝てたけど、横浜だってすごい執念を持って戦ってるって、こっちも感じてた。それはどっちも執念で戦ってるんで、それが今日は俺らがつながったというところ。その気持ちはずっと持ってやってくれてます」 

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