DeNA・大貫、CS初登板でプロ初2桁10K「投げていくうちに楽しくなった」強心臓でタイ勝導いた

[ 2022年10月10日 05:30 ]

セCSファーストステージ第2戦   DeNA1―0阪神 ( 2022年10月9日    横浜 )

<D・神>CS初勝利を挙げた大貫(撮影・島崎忠彦)
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 圧巻の1球だった。6回2死走者なし。DeNA・大貫はフルカウントから代打・北條の外角に146キロ直球を投げ込むと、三振を確信して一塁ベンチに歩き出した。狙い通りの見逃し三振で、5回2死から4者連続三振。「最初は緊張したが投げていくうちに楽しくなった」と、プロ入り後初の2桁10三振を毎回で積み上げた。

 前日4安打の1番・中野を初回138キロのスプリットで空振り三振に仕留めて波に乗った。「全体的にまとまっていた」と6回1/3を投げて2安打無失点。イニング間にベンチで捕手の伊藤と話し合い、常に次へと備えた。大貫は「(伊藤)光さんのリードのおかげ。次にどうやって攻めていくのか迷いがなかった」と感謝した。

 プロ1年目、19年の阪神とのCSファーストSはベンチ入りメンバーに入れず、横浜スタジアムのロッカー室で戦況を見守った。まだ新型コロナウイルスの流行前。大声援がロッカーまで届いたという。「熱気が伝わってきた」と振り返り、当時の悔しさを晴らした。

 三浦監督から球場の廊下で呼ばれ、「2戦目頼むな」と先発起用を伝えられた。「細かい日にちは覚えていないんです」と笑ったが、第1戦先発の今永と並ぶチーム最多の11勝。「自分の仕事をしないといけない」と、チームを背負う覚悟でマウンドに上がった。

 4年目の躍進には、今季からチームをサポートする遠藤拓哉メンタルスキルコーチの存在が大きい。予想外の展開に対応する考え方の助言を受け、「試合中起こることを頭の中で整理し、予想外のものをつくらない準備」と「起きた場合の開き直り」で心を整えた。

 1勝1敗の五分に戻した。「(前日敗れた)今永の敵もあるし、全員でつかみ取った勝利」。入団時は投手コーチとして今に導いてくれた三浦監督に97球の恩返し。大貫が大舞台で輝いた。(君島 圭介)

 ≪逆王手突破率28%≫DeNAが1勝1敗のタイに戻した。3試合制のプレーオフ、CSで1勝1敗になったのは19度目。過去18度のうち、逆王手をかけたチームが3戦目も勝利したのは06年ソフトバンク、09年中日、17年DeNA、楽天、19年ソフトバンクの5度。突破率は28%となっている。DeNAの突破率は50%だが、どうなるか。

 ≪セ初2度目の1-0完封≫プレーオフ、CSでの1―0完封試合は昨年のパ・ファイナルS第1戦のオリックスに次ぎ9度目(セ4度目)。DeNAは17年ファイナルS第3戦の広島戦に続く2度目でセ球団で2度は初めてとなった。

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2022年10月10日のニュース