ロッテ・朗希 毎回160キロ!剛速球と制球力で8回1失点、自己最多13Kで今季初勝利

[ 2022年4月4日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ4―2西武 ( 2022年4月3日    ZOZOマリン )

<ロ・西>ロッテ先発の佐々木朗(撮影・長久保 豊)
Photo By スポニチ

 ロッテ・佐々木朗希投手(20)が3日、西武戦に先発し、8回3安打1失点で今季初勝利を挙げた。この日最速163キロを計測した直球は、落ちることなく最後まで160キロ台をキープし続け、毎回の自己最多13三振を奪った。本拠ZOZOマリンでは、CSを含めると通算10度目のマウンドで待望の初白星。チームを3連勝に導き、勝率5割に浮上させ、力強さと安定感はさらに増してきた。

 20歳の怪物には「160キロをコントロールできる投手になりたい」という理想がある。昨季9度先発しても勝てなかった本拠地で、思い描いていたものが見えた。CSを含め、通算10度目の登板で、佐々木朗がついに本拠地初白星を手にした。

 「松川が本当にいいリードをしてくれた。自分は要求通りしっかりと投げられた。一年間ローテーションで投げ続けられるように頑張りたい」

 雨でも2万1315人で埋まったスタンドの拍手も力となった。3年ぶり安打となる2安打2打点の平沢、プロ初打点の松川と一緒に上がった、3年目で自身初のお立ち台からの眺めは別格だった。
 自己最長タイとなる8回を3安打1失点。5回2死まで安打を許さず、唯一の失点は7回に内野ゴロの間に生還されたものだ。初回から160キロ台を連発し、自己最速にあと1キロと迫る163キロも計測。そこからが、今季初登板で6回3失点だった3月27日の楽天戦とは違った。

 前回はテイクバックから力が入っていたが、この日はリリースの瞬間だけに力を集中させた。直球狙いの西武打線を、直球で押し込んだ。「僕が投げる時は、相手チームも積極的に振ってくる。その中でファウルとかでカウントを取れるよう意識した」。全99球中、ストライク率は75%。剛速球と制球力が、自己最多13奪三振と無四球の原動力となった。ロッテ投手の13奪三振は、09年9月3日の日本ハム戦の成瀬善久以来、13年ぶりだ。

 無駄な力みが消えたことで、最後まで球威が落ちなかった。前回は164キロで自己最速こそ更新したが、3回以降は一度も160キロ台はなく、試合が進むごとに球速は落ちた。それがこの日は8回まで毎回160キロをマークした。「カウントによって、甘くてもいいところは思い切っていけたし、コースに投げ切らないといけないところは投げ切れた」。一球の「最速」にこだわらず、「平均」を求める右腕も納得顔だ。

 初めてZOZOマリンに足を運んだのは、10年11月21日だった。その日は「下克上」と呼ばれたロッテの日本一パレードが開催された。家族でディズニーランドを訪れた帰りに、本拠地での優勝報告会を見た。あれから4151日――。スタンドから眺めたマウンドで白星をつかむときがくるなんて思いもしなかった。運命って面白い。(横市 勇)

続きを表示

この記事のフォト

2022年4月4日のニュース