中日・柳 就任後初立浪監督がマウンドに 「必ずゲッツー取れるから」 暗示力に12球団完封一番乗り

[ 2022年4月4日 05:30 ]

セ・リーグ   中日1-0広島 ( 2022年4月3日    バンテリンD )

<中・広(3)>完封勝利を挙げ、バッテリーを組んだ木下(左)と笑顔でハイタッチする柳(撮影・椎名 航)
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 中日が1―0で迎えた9回の守り。柳が1死二塁から代打・松山に四球を与えると立浪監督はベンチを飛び出した。就任後、初めて向かったマウンドで右腕に「ここまで頑張ったんだからもう一回、腕振って。必ずゲッツー取れるから」と暗示をかけて尻をぽんと叩いた。

 言葉は現実になる。マクブルームをカットボールで5―4―3の併殺に打ち取り今季初の3連勝。被安打3で12球団完封一番乗りを果たした右のエースは「監督の目を見て、気持ちがもう一段階高まった。何としても抑えなきゃいけないという気持ちになった」と振り返った。

 前回3月27日の巨人戦は7回5失点で降板。試合は延長10回の末、初勝利を挙げたが、悔しさだけが残った。反省を生かし、この日は初回から丁寧にアウトを積み重ねた。最速145キロの直球と最遅96キロのカーブを交え、両コーナー、高低に奥行きもフルに使った投球で圧倒した。

 延長12回の激闘を制した前日はベンチ入り投手9人が全員登板。抑えのR・マルティネスは3連投だった。ピンチを救い「きょうは1人で投げ切ろうと思っていた」と胸を張った。チームは初めて理想とする先行逃げ切りの白星。指揮官も「自分がいくんだという気持ちが強い選手。(完投は)ベンチとしても非常にありがたい」と賛辞を惜しまなかった。(中澤 智晴)

 ○…柳が両リーグを通じて今季初の完封勝利。中日のスコア1―0完封は、柳自身が昨季6月1日ロッテ戦で記録して以来。2年連続1―0完封は、94~95年の今中慎二以来で、右腕に限ると小松辰雄が87年6月19日巨人戦と88年7月19日ヤクルト戦でマークして以来、チーム34年ぶり。

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