広島ドラ1・黒原 圧巻G斬り!!3者連続三振デビュー 「感謝」乱調シート打撃から大瀬良の助言効いた

[ 2022年2月20日 05:30 ]

練習試合   広島2-1巨人 ( 2022年2月19日    沖縄・那覇 )

<練習試合 巨・広>6回2死、増田陸を空振り三振に抑え、3者連続三振で巨人打線を封じた広島・黒原(撮影・坂田 高浩)
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 広島ドラフト1位・黒原拓未投手(22=関学大)が19日の巨人戦で対外試合に初登板し、3者連続三振と圧巻のデビューを飾った。15日のシート打撃で大荒れした反省をもとに投球フォームを改良。最速150キロを計測するなど持ち前の球威を取り戻して、勝利の方程式入りを期待する首脳陣らをひと安心させた。

 黒原に向けられた視線は、決して期待感だけではなかった。15日のシート打撃で打者11人に安打性8本を浴びる滅多打ち。周囲に芽生えた疑いの目を発奮材料に変えて、初の対外試合へと向かった。

 「緊張は少しあったけど、前回のシート打撃で全然思った通りにいかなくて、すごく悔しい思いをした。ばん回ではないですけど、いいところを見せたいと思って投げました」

 登板は1―0の6回。先頭の八百板にカウント1―2から、この日最速となる150キロ直球で空振り三振を奪うと、代打・大城は勝負球の140キロカットボール、増田陸には149キロ直球で3者連続三振に仕留めた。大学4年時から採用してきたクイック投法ではなく、セットポジションから右足をゆっくりと上げる形に変更。投げ方から直球の質まで前回のシート打撃から何もかも見違えていた。

 「前回(のシート打撃)は、直球も変化球も体を回すタイミングが合っていなかったので球も弱かったし、シュート回転する球も多かった。直球に関しては、すごく強い球を投げることができたので良かったと思います」

 屈辱のシート打撃を終えた夜、大瀬良からLINEが届いた。「ドラ1とかいろいろ言われたり、周りの目もあって、しんどいと思う。俺もそうだったよ」。大瀬良もドラフト1位で入団し、1年目のキャンプは心労などから体重が7キロ落ちたと言う。その経験から連絡をくれた先輩の優しさが心を軽くした。

 「励ましの言葉をいただいて救われた。恩返しではないですけど、何とか今日の結果で大瀬良さんに感謝の気持ちを表すことができたかなと思います」

 周囲の不安は払しょくできた。ここからは勝利の方程式入りをかけた競争へと入っていく。「結果が出たと言ってもまだ1イニング、打者3人しか投げていない。これを維持するのが難しいと思う。満足せずに突き詰めていきたいと思います」。シート打撃からわずか4日後の変身には、ドラフト1位としての意地が詰まっていた。(河合 洋介)

 ▼広島・佐々岡監督(黒原について)これまではクイックで投げていたけど、今日は球の強さもあって、(シート打撃で)抜けていたカットボールもいい曲がりになっていた。

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2022年2月20日のニュース