ロッテ・朗希 今季初実戦で自己最速タイ163キロ!1球で球場支配

[ 2022年2月20日 05:30 ]

練習試合 ロッテ1-1日本ハム ( 2022年2月19日    名護 )

力投する先発のロッテ・佐々木朗(撮影・高橋茂夫)
Photo By スポニチ

 ロッテ・佐々木朗希投手(20)が19日、日本ハムとの練習試合に先発し2回2安打無失点、今季初実戦でいきなり163キロを叩き出した。プロ入り後の公式戦では159キロが最速だったが、初球から161キロを計測すると、全26球中16球が大台突破。大船渡3年春の高校日本代表合宿でマークした163キロの自己最速タイも2度記録し、3年目を迎えた「怪物」の進化を見せつけた。

 グッシャ――。鈍い音が響くと、スタンド全体がざわついた。初回だ。佐々木朗が2022年の初球を投じた。直球はシュート回転しながら清水のバットをへし折り、遊ゴロに仕留めた。球場のスピードガンでは「161キロ」が表示された。

 どよめきを察知した20歳は「(バックネット裏の表示計で)見られるので…」と昨年11月の楽天とのCSファーストSで記録したプロ公式戦最速の159キロを上回ったことを確認した。ここから、剛速球は加速する。2死で迎えた細川の5球目には163キロをマーク。大船渡3年だった19年4月6日の高校日本代表候補合宿で記録した自己最速に、1050日ぶりに並んだ。

 まだ2月。最速165キロのエンゼルス・大谷でも、この時期に160キロ以上を投げたことはない。しかも初実戦でもあったが、それでも冷静だった。「そこまでは出ていない。(ここの球場は)速く出ると思っていたので気にせず投げた」。球速表示は設置位置などで異なる。事前情報として「数字が甘め」の球場と把握していた。事実、ロッテの球団スピードガンでは最速156キロだったという。

 2回2安打無失点。2回にも163キロを計測し、全26球中16球が160キロ以上で、直球22球の平均は160・2キロだった。抜群の出力を示すと同時に、自分のテーマとしっかり向き合っていた。2回には「少し練習したかった」と、キャンプで取り組んできたカーブを投じた。昨季は計976球を投げ込んだ中でわずか1球だけだった球種を、先頭・杉谷の2、3球目に2球連続で試した。いずれもボールだったが、30キロ以上もの緩急という武器まで手に入れば、文字通り鬼に金棒だ。

 新庄監督の話題で盛り上がる名護での登板。目立つことは苦手で「大変。静かにやりたい」とも口にしていた。井口監督も「朗希は(新庄フィーバーなどで)ザワザワしているのが嫌いなタイプ」と心配していたが、「朗希の球速で球場はザワザワしていた。朗希の勝ちじゃないですかね」と笑った。たった1球で球場を支配できる。3年目の怪物はそんな存在となった。 (横市 勇)

続きを表示

2022年2月20日のニュース