ヤクルト・奥川が点灯!マジック11 天王山初戦7回途中1失点で虎退治!チーム最多タイ9勝で7連勝導く

[ 2021年10月9日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト4―1阪神 ( 2021年10月8日    神宮 )

<ヤ・神>6回1死一塁 中野を二ゴロ併殺に打ち取りガッツポーズする奥川(撮影・久冨木 修)      
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 6年ぶりのリーグ制覇へ、勢いが加速した。ヤクルトは8日、2位・阪神との直接対決第1ラウンドに4―1で快勝して7連勝。2年目の奥川恭伸投手(20)が、6回2/3を4安打1失点でチームトップタイの9勝目をマークした。チームは今季、両リーグを通じて初の優勝マジック「11」が点灯。就任2年目の高津臣吾監督(52)の下、ツバメ軍団が頂点へと突き進む。

 笑顔の高津監督から頭をポンポンと叩かれた。チームに優勝マジック11が初点灯した試合後、奥川の顔からも笑みがこぼれる。歓喜の輪の中で、指揮官から労をねぎらわれた。

 「凄く大事な試合だったので、立ち上がりから全力でいこうと思っていました。自然に力も入りました」

 最速150キロの直球に切れ味鋭いスライダー、落差あるフォークをコーナーに投げ分けた。三振を奪うと珍しく雄叫びも上げた。7回2死一、三塁で四球を与え、連続無四球は53回2/3でストップ。ここで交代を告げられたが、救援陣が無失点でつなぎ、エース小川に並んでチーム最多の9勝目を手にした。

 2年前のドラフト会議で3球団が競合する中、高津監督自らくじを引き当てた逸材。「将来のエースに育てないといけない」と指揮官は1年目の昨季は2軍でじっくり育て、今季は原則的に中10日以上で登板させた。「勝利と育成」を両立させ、20歳の右腕は試合を重ねるごとに成長。「いろんなゲームを経験させて来年につなげるため。もう一つは勝つピッチングをもちろん期待していた」と今季2度目の中9日で天王山の一戦に投入した。

 背番号11も一歩ずつステップアップした。中10日の登板を続けながらルーティンを確立。疲労軽減で登板当日のキャッチボールは試合直前だけにした。ベスト体重は86キロで「増えると切れがなくなる。減ると球が軽くなっている感じがする」という。初めての1軍生活。ナイターや遠征で不規則になりがちだが「お肉でもご飯でもいいから食べたいものを食べて、体重を落とさないように。増えた時は、食べる量を減らして」。毎朝、体重計に乗ってチェックする。9試合連続のクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)の快投につなげた。

 高津監督も「気持ちが乗っていたのは間違いない。いつもと表情が違ったように見えた。見事」と絶賛。孝行息子は2桁勝利に王手をかけ、し烈な新人王争いも繰り広げている。「これから優勝に向かって一生懸命投げたい」。右肩上がりの成長曲線は、ヤクルトのVロードに重なっている。(青森 正宣)

 《過去6度全て優勝》ヤクルトが阪神に勝ち、優勝へのマジックナンバー11を初点灯させた。マジック対象の阪神は残り全勝でも83勝53敗7分けの勝率.610となる。ヤクルトはこの場合、阪神との残り4試合に全敗することになるが、他カードで11勝を挙げれば78勝49敗16分けの勝率.614で、阪神を上回るため。なお、現日程での最短優勝決定日は15日になる。また、ヤクルトがマジックを点灯させるのは、15年以来7度目になるが、過去6度は全て優勝しており、今季もこのままVの期待がかかる。

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2021年10月9日のニュース