ソフトB長谷川が涙の引退会見 家族に感謝、プロ15年間振り返り「悔いなく、ユニホームを脱げます!」

[ 2021年10月9日 14:00 ]

<ソフトバンク長谷川引退会見>目に涙を浮かべながらも笑顔で会見する長谷川(撮影・岡田 丈靖)
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 今季限りでの現役引退を発表したソフトバンクの長谷川勇也外野手(36)が9日、ペイペイドーム内で引退会見を行った。今季は主に代打として70試合に出場し打率・263、19打点、3本塁打。5月29日の巨人戦では2本塁打を放つなど好調を示していたが、交流戦頃から14年に手術した右足首の違和感が徐々に増していったという。

 「ヨシ!」と気合いを入れて会見場に入室したが、序盤から涙が止まらない。ハンカチで抑えながら決断に至った経緯を明かした。

 「ダメなら辞めると思ってやってきたが足がボロボロになったと実感した。それが打撃に影響してしまった。“今日はこれでダメか? これなら行ける!”と思ってやったが打ちのめされ、やることがなくなった。それだけ、バットは振った。もうダメだと感じた。そこが大きな理由だった」。後半戦は21試合に出場も2安打のみ。9月以降は無安打で2日の登録を抹消された後の5日に現役引退を意向を球団に伝えた。

 通算1232試合に出場し、1108安打。打率・288、76本塁打、434打点。13年には198安打、打率・341で最多安打と首位打者のタイトルを獲得した。ホークス一筋で6度のリーグ優勝、7度の日本一に貢献した。家族への感謝とともにプロ15年間を振り返ると、男泣きは再開された。「悔いはないです。もう、ああ、やべえ」とおえつを漏らした後に「悔いなく、ユニホームを脱げます!」と叫んだ。

 好きな言葉は剣豪・宮本武蔵が勝負の極意を著した「五輪書(ごりんのしょ)」の中にある「心、常に道を離れず」だった。多くを語らず、バットを真剣のようにして球を斬る。武士のような男は、シブく頼もしかった。「努力の鬼」とも評された玄人好みの打撃職人の涙は、最後まで会見場で輝いていた。

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