西武12球団最速公表 ドラフト1位に大学No・1左腕の隅田 渡辺GM「リスト挙がった中で一番」

[ 2021年10月9日 05:30 ]

西日本工大・隅田知一郎
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 西武が8日、11日のドラフト会議に向けた編成会議を行い、西日本工大・隅田知一郎(ちひろ)投手(22)を1位指名すると公表した。本命不在と言われる今秋ドラフトで、12球団初の1位指名選手公表となった。チームは今季、左投手による白星がわずか2勝。慢性的な左腕不足に陥っており、複数球団の競合が有力視される大学No・1左腕の指名へとかじを切った。

 来シーズンの巻き返しへ向け、西武がチームの方針をいち早く示した。西日本工大・隅田を、12球団最速の1位指名選手として公表。オンライン取材に応じた渡辺久信GMは、左腕への高い評価を口にした。

 「リストに挙がった選手の中で一番の評価。満場一致で、投手としてポテンシャルの高さもありますし、ゲームをしっかり支配できる。しっかりゲームをつくれる。ランナーを出しても切り抜けるすべを持っている。総合的な評価で彼に決めました」

 最速150キロを誇る隅田は、チェンジアップ、スライダーを軸にカーブ、カットボール、ツーシーム、スプリットなど多彩な変化球も操る。渡辺GMは公表の理由について明言を避けたが、複数球団による競合が有力視されており、他球団をけん制する意味合いとみられる。それほど、西武にとって即戦力左腕は、喉から手が出るほど欲しい存在だ。

 18年オフにエースの菊池がマリナーズへ移籍してからは、年間を通して先発ローテーションに名を連ねる左腕が不在。昨年も早川(早大→楽天)を1位指名したが、4球団競合の末、抽選を外した。17年ドラフト1位の斉藤大(明大)は4年間で32試合に登板し、1勝4敗。5月末に「左肘内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)および後方関節腔(くう)クリーニング術」を受け、実戦復帰には1年以上を要する見込みだ。昨秋ドラフト2位の佐々木(NTT東日本)も前半戦で5試合に登板したものの、コロナ感染拡大防止の観点から定めている球団ルールに違反。8月末から1カ月間の出場禁止処分を受けた。

 8日、チームは50勝目を挙げたが、左腕による白星は39歳の内海と2年目・浜屋の計2勝止まり。渡辺GMは「彼(隅田)の実力というか、普通に投げられれば、必ず戦力になると思うので、楽しみです」と即戦力左腕の獲得へ、期待を膨らませた。(花里 雄太)

 ◇隅田 知一郎(すみだ・ちひろ)1999年(平11)8月20日生まれ、長崎県出身の22歳。小2から「大村クラブ」で野球を始め、西大村中では軟式野球部に所属。波佐見では3年夏に甲子園に出場し、初戦敗退。西日本工大では1年春にリーグ戦デビュー。1メートル76、76キロ。左投げ左打ち。

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