具志川商・新川 夏にかける希望の21世紀枠校アーチ 15年以来の快挙

[ 2021年3月27日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第7日第2試合 2回戦   具志川商4ー8福岡大大濠 ( 2021年3月26日    甲子園 )

<具志川商・福岡大大濠>3回1死、大城が左中間に同点適時時二塁打を放つ(撮影・成瀬 徹)  
Photo By スポニチ

 【お帰り!春球児】最後までマウンドに立てなかった。でも、悔いはない。具志川商のエース新川(あらかわ)俊介はチームの成長を実感していた。「ピンチで仲間が励ましてくれた。打線も初球からどんどん振っていけた」。昨秋の九州大会で零敗を喫した福岡大大濠・毛利海大を打ち込み、延長に持ち込む粘りを見せた。

 八戸西戦で右手中指のマメをつぶした影響で3回からの登板となったが、中3日の休養が奏功し力投。8回1死二、三塁では相手のスクイズを捕手・比嘉力太との共同作業で外した。「しっかり心が合った」。11回途中まで140球を投げ抜いた。バットでは初回2死、左越えソロ。21世紀枠校の本塁打は15年・松山東(愛媛)の米田圭佑以来の快挙で「初球から思い切っていけた。甲子園で初めてのホームランなんてうれしい」とかみしめた。

 アルプス席では山城来(らい)マネジャーが大喜びした。脳性まひのため幼少期から車椅子で生活する中、大好きな野球に携わりたいと1年から入部。相手投手の配球を分析し、ミーティングで傾向を伝えてきた。前夜も「毛利は直球が多いけど、走者を置いたら変化球が多くなる」と発言。毛利に浴びせた計9安打は助言をナインが体現した成果だ。

 「課題も見えた。夏に向けて気持ちの面で成長したい」と新川。夏にも聖地を踏みしめて、さらに成長した姿を見せる。(伊藤 幸男)

 ◆新川 俊介(あらかわ・しゅんすけ)2003年(平15)5月14日生まれ、沖縄県出身の17歳。小3から野球を始め、与勝二中では軟式野球部に所属。具志川商では1年秋からベンチ入り。趣味はバスケットボール。将来の夢はプロ野球選手。1メートル80、78キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

2021年3月27日のニュース