楽天・石井監督初勝利 “孝行息子”涌井が有言実行 史上初3球団開幕勝利

[ 2021年3月27日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天8ー2日本ハム ( 2021年3月26日    楽天生命 )

<楽・日>ウイニングボールを手に笑顔の石井GM兼監督(撮影・白鳥 佳樹)
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 開幕戦で初勝利を挙げた楽天・石井新監督は、前日に「監督にウイニングボールを渡す」宣言していた涌井からの有言実行のプレゼントに目尻を下げた。最初で最後の記念球。「カメラに向かってボールを持ってガッツポーズを、47歳になってやるとは」と照れくさそうに笑った。

 それは涌井にとっての記念球でもある。7回を4安打無失点。自身10度目の大役だったが、3球団での開幕勝利はプロ野球史上初で「勝ちを期待されて送り出されたので、ホッとした」と安どした。

 13年前に出会った2人の絆は固い。涌井は「お父さんみたいな存在。困っている時は必ず助けてくれる。人生の岐路に立った時、必ず近くにカズさんがいてくれた」と表現した。08年に石井監督がヤクルトから西武にFA移籍し、開幕直後の福岡遠征で開かれた投手会で意気投合した。「人に興味がなさそうだけど、みんなで楽しむことが大好きで、人が喜んでいるのが好きな人」と明かす。19年12月にGMとしてロッテとの金銭トレードを成立させ、再び2人の人生が交差した。

) 監督に就任したことで、8年ぶりに同じユニホームを着て戦う。開幕投手を告げたのは2月27日。実は本人に伝える前に公表してしまうドタバタ劇があった。涌井に電話をかけて「ごめんね、言うの忘れてた」と謝ったそうで、涌井は「カズさんらしい。シーズンが終わったら“何で俺にしたの?って聞いてみたい」と笑う。

 石井監督が「現役時代にごはんをたくさんごちそうした。まだまだ僕に恩を返し切れてないので、今年も柱としてやってくれると思う」と言えば、涌井も「恩は返し切れないけど、期待に応えたい」と言った。目標は胴上げ&ビールかけ&優勝旅行。東日本大震災から10年の節目に頂点を目指す「石井丸」の長い航海が始まった。(重光 晋太郎)

 ≪歴代3位開幕戦6勝≫涌井(楽)が西武、ロッテ時代に続き3球団目となる開幕投手を務め、16年以来の開幕戦6勝目を挙げた。3球団での開幕投手は内藤幸三(金鯱、朝日、広島)、渡辺秀武(巨人、日本ハム、大洋)に続く3人目。内藤は通算4試合に登板したが勝利なし、渡辺は大洋での1勝のみで涌井の3球団開幕戦先発勝利は史上初となった。また、開幕戦6勝は鈴木啓示(近鉄)9勝、山田久志(阪急)8勝に次ぎ、村田兆治(ロ)、北別府学(広)に並ぶ歴代3位。

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