広島・森下に新兵器!マエケン伝授の「ツーシーム」改良で「スプリット」に いつか究極のボールに!

[ 2021年3月23日 05:30 ]

大瀬良(手前)とキャッチボールする森下(撮影・河合 洋介)
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 広島・森下暢仁投手(23)は22日、マツダスタジアムで行われた投手練習に参加し、球団OBの前田健太(ツインズ)から授かった新球ツーシームを改良した新兵器「スプリット」を試投した。「火曜の男」としてより多くの回数を投げるべく、開幕後も完全習得を目指す。また、先発予定のきょう23日のウエスタン・リーグ中日戦(ナゴヤ)が開幕前の最終登板。練習後に名古屋入りして備えた。

 新球は「森下仕様」に形を変えている。今年1月、前田に直接伝授されたことで、ツーシームの完全習得を目指し始めた。一般的な握りは球の縫い目に沿わせるように人さし指と中指を広げて挟む。これが改良を重ねるうちに、本来の握りよりも深くなった。次第に「スプリット」と呼ぶようになったと言う。

 「(出来は)まだ何とも言えない。やっていかないと分からないので、打者に投げて使えると思ったら使っていきたいし、まだだと思えば練習して良くしていきたいです」

 投手練習では横山投手コーチをキャッチボール相手に数球を試投した。同コーチは「シンカー気味に少し落ちるような変化をイメージしているんじゃないかな」と証言する。軌道はツーシームに近い。ただし、より球を深く握ることで、当初の想定よりも大きな落差が期待できる。

 「余裕がある時に試したりしたい」と明かすように、完全習得は道半ばだ。春季キャンプでは「全然しっくり来ていない」と首をひねることもあったがープン戦で1試合に数球試すまで段階を上げてきた。開幕後も練習のみならず実戦でも試投を続けながら磨きを掛けていく構えだ。

 新兵器は、「火曜の男」を担う上で手助けとなるだろう。昨季、球数が120球を超えたのは18試合で7度。昨季リーグ3位の124奪三振の代償とはいえ、球数の多さは課題の一つだった。前回16日の西武戦でも4回2/3で96球を要していた。

 同コーチは「若いカウントで打ち取っていくためにも挑戦しているのだと思う。三振が多いとなれば、相手は早いカウントから打ってくる。そうなった時の選択肢としてスプリットは有効」と期待する。今季は開幕2カード目の初戦となる30日の阪神戦(マツダ)に先発し中6日で回る予定。新兵器を駆使して球数を減らすことができれば、6連戦初戦の救援陣の登板は最小限に抑えられるだろう。

 「まだ左(打者)にしか使っていないので、しっかりと投げられたらいいかな……という感じです。カウントを取るイメージ。のちのち使えたらいい」。今季の森下は開幕後も進化が続く。 (河合 洋介)

 《広島スポーツ賞受賞に「うれしい」》森下が、広島運動記者クラブが同県内の選手やチームに贈る「2020年広島スポーツ賞」を受賞した。昨季10勝を挙げて新人王を受賞した活躍が評価され、有効投票94票中66票を獲得。「それだけ自分のやることができたのかなと思いますし、もっともっと頑張ろうと思えるのでうれしいです」とコメントした。新型コロナの感染拡大防止のため、贈呈式は中止された。

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2021年3月23日のニュース