巨人・中川 悔しさ知る新守護神 原監督が評価する献身性

[ 2021年3月23日 08:15 ]

巨人・中川
Photo By スポニチ

 投手の役割の中でも試合を締める「守護神」は特別である。巨人では岡島秀樹、上原浩治、クルーン、西村健太朗、マシソン、沢村拓一らが務めてきた。その大役に今季、5年目左腕の中川皓太投手(27)が指名された。

 原監督は抜てきした理由に、「自己犠牲」と表現した献身性を挙げている。昨年は左脇腹痛で10月9日に出場選手登録を抹消。首脳陣の「ちょっと難しいだろう」という見立ての中で、11月18日に1軍に合流して日本シリーズで復活登板。第3戦の7回2死一、二塁から、1球で栗原を投ゴロに仕留めた。

 日本シリーズに間に合った価値は大きい。ソフトバンクに2年連像4連敗し、日本一奪還を逃した悔しさを知るからだ。中継ぎの中心的役割を任されていた左腕はシーズンは37試合に登板。2勝1敗、15ホールド、6セーブ、防御率1・00の好成績を残したが、最後にチームにいたことは数字以上の意味がある。実際に、年末の契約更改で「ソフトバンクは隙がなかった」と悔しさを口にしている。

 中川は16年の入団当初、テークバックが大きく球の出所が見えづらい投球フォームから、中日で通算407セーブを挙げた岩瀬仁紀に似ていると評されることがよくあった。投球フォームは改良を重ね、やや腕を下げた事で球の威力は増した。今季オープン戦は5試合で防御率0・00。四死球もゼロと、満場一致で指名を受けた。

 26日の開幕へ「抑えをやる以上は圧倒する力、相手の戦意を喪失させるぐらいになりたい」と意気込む。原監督の「(シーズンでは)もっと凄いことになるしれない」と言う予言めいた見通しも、ファンの楽しみを増長させるだろう。(記者コラム・神田 佑)

続きを表示

2021年3月23日のニュース