今年の広島・堂林は三塁で勝負!春季Cで送球面を向上し、リーグ最多失策の汚名返上を

[ 2021年1月28日 05:30 ]

三塁での守備力アップを誓った広島・堂林
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 広島・堂林翔太内野手(29)はオフ期間からの「三塁漬け」で、昨季リーグ最多失策の返上を期した。今月、沖縄市内で実施した鈴木誠らとの合同自主トレでは課題の送球練習に時間を割いた。一塁が主戦だった昨オフとは異なり、三塁守備の向上に専念して定位置死守に備えた。

 昨オフとは練習内容から違う。昨春は松山から一塁奪取を狙う立場で、キャンプ期間を含めて三塁守備に入ることはなかった。チーム事情により、昨季途中から三塁に再転向となり、92試合に先発出場。そこで今月6日から24日まで沖縄市内で実施した鈴木誠らとの合同自主トレでは、三塁守備に専念して課題克服に取り組んだ。

 「(昨オフは三塁を守ると)全く思っていなかったですね……。暖かいところで投げられて、送球の練習にも時間をあてられた」

 昨季は三塁手としてリーグ最多の17失策を犯した。上々のグラブさばきを見せた一方、送球面には課題を残した。その改善のため沖縄では守備力に定評のある曽根に付き添ってもらい、投げ方、感覚などの教えを請うたと言う。「しっかりと球を投げてきたし、(曽根)海成に付き合ってもらって、守備練習もやるようにしていた。やれることはやれたと思う」。マツダスタジアムでの合同練習には26日から合流。ノックでは、感覚を確かめながら軽快な送球を繰り返した。

 自主トレメンバー最年長ながら積極的に質問する姿勢は、打撃練習でも変わらない。助言はすぐに実践し、午後から連日2、3時間休みなく振り込んだ。「(収穫は)話すと長くなるので……。誠也は、いろいろと新たなことに取り組んで、すごく向上心があるなと改めて実感したし、本当にまた勉強をさせてもらった」。不調からの脱却方法など、昨季の経験を踏まえて話し合いはより深まった。

 「去年は“ダメだったら本当に終わり”ぐらいの気持ちだった。今年は周りの期待も見られ方も違うと思う。やれることは決まっている。張り切りすぎないようにやろうかなと……。アピールすることには変わりない」

 球団では、三塁で100試合以上出場したのは、13年堂林(105試合)を最後にいない。自身が手放して以降、長らく不在だった正三塁手。「そこ(守備)もしっかりやらないと、1年間レギュラーで出られない」。同僚の支えも力に、真価の問われるシーズンに向かう。 (河合 洋介)

 ≪中日・石川昂からも刺激≫堂林は、沖縄での合同自主トレに参加した中日・石川昂に刺激を受けた。「すごく力強いスイング。自分が19歳のときを考えるとレベルが違う。ああいう子が出てくるんだな……と。負けたらいけないと思わされた」。19年ドラフト1位の石川昂は、昨年7月12日の広島戦(マツダ)でプロ初安打を放った。「誠也に話を聞いていたり、僕もどういう感覚で振っているのかを聞いて、いい時間を過ごせた」。志願して他球団から唯一参加した未来の大砲に感心しきりだった。

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