田中将大の楽天復帰の背景 米移籍市場はFA補強よりトレード優先が顕著

[ 2021年1月28日 17:15 ]

田中将大
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 楽天は28日、ヤンキースからFAになっていた田中将大投手(32)と基本合意したと発表した。07年から13年まで7年間プレーした古巣に8年ぶりに復帰が決まった。背番号は「18」。

 このオフはコロナ禍で米球界の移籍市場の動きが例年以上に鈍い。昨季サイ・ヤング賞右腕バウアー(レッズからFA)ら目玉選手の移籍先が決まっていない。

 そんな流れの中、補強費を抑えるためにFA補強よりもトレードを優先する傾向が顕著だ。大型補強を敢行中のパドレスは昨年12月にレイズから18年サイ・ヤング勝左腕スネルを、カブスから昨季最多勝右腕ダルビッシュをいずれもトレードで獲得。その後、田中の獲得調査を行っていると米メディアが報じていたが、1月中旬にはパイレーツの主戦右腕マスグローブをトレードで獲得した。この補強で田中獲得の可能性が事実上、消滅した。

 大富豪の投資家スティーブ・コーエン氏が新オーナーに就任したメッツも球宴4度選出のスター遊撃手リンドアと先発右腕カラスコをトレードで獲得。パ軍、メ軍は他球団と比べて資金力に余裕があり、巨人からポスティングシステムを利用しメジャー移籍を目指した菅野争奪戦に参戦したとされるが、ともに合意することができなかった。

 昨季の無観客開催の影響でヤンキースなどビッグマーケットの球団ほど財政面で大きなダメージを受けている。今季は4月1日(同2日)の開幕はすでに発表されており、米報道では2月17日(日本時間18日)のキャンプインも報じられているが不透明感は否めない。

 19年のマチャド(現パドレス)のようにキャンプ中も移籍先が決まらない選手が続出しても何ら驚きではない。田中の「国内復帰」は自身にとってベストなシーズンを過ごすための決断ともいえるだろう。

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