セDH制導入また見送り 理事会で巨人が「期間限定」再提案も

[ 2021年1月20日 05:30 ]

阪神の谷本球団副社長兼本部長
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 セ・リーグの理事会が19日に行われ、新型コロナ感染状況悪化に伴い、巨人から期間限定でのDH制導入が提案されたが、反対多数で見送られた。巨人は昨年12月14日の理事会でも、コロナ下での選手の負担軽減のため、今季限りの暫定的なDH制導入を提案したが却下されていた。

 議長の阪神・谷本修球団副社長兼本部長は「各球団の意見を持ち寄り話し合った結果、巨人さんの提案は採用しないと決まりました」と話した。関係者によると巨人は「開幕から1クール、もしくは2クールまで」などの期間限定DH制を提案。仮に1クールなら4月29日まで、2クールだと交流戦明けの6月27日までとなる。

 感染状況はオフに入り日々悪化している。政府は7日に緊急事態宣言を発令。その影響で入国制限が厳しくなり、多くの外国人選手の来日の見通しも立たなくなった。新外国人やビザ未更新の2年目以降の選手は、発給手続きと2週間の隔離期間も含め、合流は早くても2月末の見込み。セだけでも20人以上の助っ人が足止めを食らい、3・26開幕に間に合うかは微妙だ。

 外国人不足による「試合価値の維持、向上」という観点も巨人から指摘されたという。DH活用で序盤戦では外国人の調整などに幅を持たせられる。キャンプは無観客となり、昨年より多い143試合に加え、中止された交流戦、CS、球宴も従来通りに戻り、夏には五輪中断も挟む変則的な過密日程で戦う。選手は外食、外出自粛の上、頻繁に検査を迫られストレスや負担の増加が予想される。昨季より過酷になり得るコロナ下での2年目、谷本本部長は「今後、不測の事態はあり得る。その時に再度検討する」と説明した。

 ≪セ・リーグDH制導入を巡る議論経過≫
 ▼19年10月24日 巨人・原監督がオーナー報告の後にDH制導入に初言及。前日、ソフトバンクとの日本シリーズで4連敗を喫し「セ・リーグもDH制を使うべき。相当差をつけられている」と主張。
 ▼20年1月22日 巨人・原監督が12球団監督会議で各球団に初提案。
 ▼11月19日 臨時実行委員会を開き、日本シリーズでの全試合DH制の採用が決定。ソフトバンク側が投手故障リスクの軽減などを理由に提言し、巨人側が了承した。
 ▼12月14日 巨人がセ・リーグ理事会で、来季からの暫定的なDH制導入を提案するも見送り。
 ▼同16日 日本プロ野球選手会長の巨人・炭谷が本紙の取材に応じ、セ・リーグのDH制導入について意見交換を行い、強い反対意見がなかったと明言。
 ▼同24日 日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会が事務折衝。選手会の森事務局長は「(導入について)議論して正しい方向に行ってほしい」と話す。

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