「シンプルに技術磨け」 “背水”阪神・北條 坂本勇塾で逆襲だ 高校先輩に9年目で初の弟子入り実現

[ 2021年1月16日 05:30 ]

坂本(右)の守備練習を見守る阪神・北條(球団提供)
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 阪神の北條史也内野手(26)が15日、国内での自主トレを公開した。キャンプ前の準備期間に、光星学院(現八戸学院光星)の先輩にあたる巨人・坂本勇人内野手(32)の懐に飛び込むのは9年目で初めてだ。背番号も26に変わり、心機一転しての逆襲の意気込みが伝わる。

 何もかもが新鮮だ。北條にとって、見ること、気づくことすべてが刺激的でたまらない。巨人・坂本勇にお願いして、湯浅、増田陸らと国内で行う合同自主トレに9年目で初めて参加させてもらった。球団を通じた取材にも、弾んだ声が聞こえてくる。

 「いっしょに練習させてもらって、いろいろと教えてもらって本当にありがたいですし、すべてを吸収したいです」

 昨年2000安打を達成した光星学院の6年先輩。球界を代表する強打の遊撃手は尊敬する一人であり、自身が本来めざすスタイルからも遠くはない。これまでも球場はもちろん、食事をする機会もあり、公私で気にかけてもらっていたが、今回のトレーニングは北條自身が大きく変わることができるかもしれない貴重な時間だ。

 「坂本さんからは、シンプルに技術を磨けと言われました。技術的なことなので具体的には言えないですけど、キャッチボールでも守備でも打撃でも、一つ一つの動きや意識についてアドバイスしてもらっています」

 危機感が伝わってくる。ポスト鳥谷の最右翼だったはずだが、気づけば三塁や二塁への準備も視野に入れないといけない立場になった。昨年の遊撃スタメンも9試合にとどまり、同い年の木浪の84試合、小幡の26試合に後れを取った。植田や熊谷、遠藤ら後輩の突き上げもいっそう激しくなる。昨年のドラフトでも即戦力期待の6位中野が新加入した。

 「背番号や自主トレなどいろいろと変わりますけど、今シーズンはすべて良い方向にいくと信じて思いっきりやっていきます」

 背番号は「2」から「26」に“降格”した。愛媛・松山で16年から5年間続けてきた山田哲や川端らヤクルト勢との合同自主トレも断りを入れ、変化を求めた。これまでどおりでは、おそらく結果も同じ。目いっぱいにやっていても、まだまだできることがあるかもしれない。もしも成長を妨げる甘えが残っていたら、気づくかもしれない。坂本センパイから学ぶことは、きっと技術だけではない。

 【阪神・北條の自主トレ】
 ▽16年 愛媛県松山市でヤクルト勢との合同自主トレに初参加。光星学院の先輩・川上に頼んで実現。山田哲のマシン打撃に衝撃を受け「盗めるところはしっかり見てやっていきたい」
 ▽17年 16年は122試合に出場して打率.273、5本塁打と飛躍。「昨年は“お客様”状態だったのが(今年は)一員になれたのかなと」
 ▽18年 松山で5年ぶりに阪神戦が開催されることが刺激に。「ここ(松山)で自主トレして、結果を残すことが恩返しに」
 ▽19年 18年9月の左肩亜脱臼から懸命のリハビリで参加に間に合わせる。18年4月に果たせなかった松山での公式戦出場を誓う。「昨年は(1軍に)いなかったので」
 ▽20年 山田哲から走塁面でも技術を吸収することに意欲。「僕と哲人さんは(レベルが)別ですけど…」

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