バットも足も意識改革だ 広島・野間はシンプル思考で打撃向上 勇気を武器に30盗塁

[ 2021年1月16日 05:30 ]

ダッシュする広島・野間(撮影・河合 洋介)
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 広島・野間峻祥外野手(27)は15日、年明け初めて本拠地マツダスタジアムを訪れ、「意識改革」を今季のテーマに据えた。持ち味の走力を生かすために、「積極走塁」を掲げて自己最多の30盗塁を目標に設定。打撃でも迷いを捨てたシンプルな思考で、定位置奪取へのアピールを狙う。

 反攻のヒントは、心にある。「全体的に考えすぎず、受け身に回らないように。キャンプからチャレンジしながらアピールしたい」。野間が思い描く打撃、走塁面での狙いは、いずれも意識の変化が大きく影響している。

 昨季は2盗塁に終わり、チーム随一の走力を生かし切れなかった。企図数は5度のみ。完ぺきなスタートを求めるあまりに積極性を欠いた。「走ることに関しても考えすぎずに、どんどん盗塁していこうと思う。最終的には勇気。今年は恐れずにやりたい」。「積極走塁」をテーマに、多少のリスクを覚悟で駆け回ると決めた。

 自己最多は18年の17盗塁。19年は14盗塁で失敗2度のみと高い成功率を誇っただけに、積極性が加われば、自己最多を大きく更新することも可能だろう。

 「セ・リーグだったら30盗塁あたりが盗塁王を狙うボーダーラインになると思う。そのへんはクリアできるようにしたい。まずは打たないとダメだけど…」

 自ら口にしたように、俊足を生かすためにも打撃向上が不可欠だ。打撃フォームを改造して臨んだ昨季は、打率・240(50打数12安打)と状態が上がらず、先発9試合と出場機会を失った。今オフは「あまり上(構え)を気にしていない」と打席内に迷いを持ち込まないと決めたところに、走塁同様の意識改革が見える。

 「シンプルに、タイミングを取って下半身を使う。あまり上ばかりを考えずに、まずはしっかりと入っていくという意識です」

 鈴木誠らとの合同自主トレに参加した昨オフとは異なり、年明けからは地元・兵庫での「単身トレ」を選択して自らの調整のみに集中した。「いい時間になった。気持ち的にもリフレッシュできた」。心身ともに充実した状態で、し烈な外野の定位置争いに向かう。

 「1年間通して試合の頭から出ることをずっと求めてきた。それを1度つかみかけて(去年に)手放した。もう1度つかみきれるようにしたい」。目には見えない内面から、逆襲の気配が漂う。 (河合 洋介)

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