【惜別球人】DeNA・古村 「激レアさん」ついに2度目の引退

[ 2020年12月29日 05:30 ]

2度目の引退を決断したDeNA・古村
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 出会いもあれば、別れもある。球界は別離と、新たな旅立ちの季節だ。楽天からドラフト1位で指名された155キロ左腕・早川隆久投手(22=早大)ら、育成選手も含めて新たに123人がプロの門を叩く。一方で、多くの選手がユニホームを脱ぎ、次なる人生をスタートさせる。年末恒例の「惜別球人」。今年は上下2回に分け、第1回はセ・リーグ編。

 「激レア」な野球人生だった。古村が現役を引退するのは2度目。14年限りで一度は決断し、15年は打撃投手を務めた。ところが、故障が癒えたこともあり16年に独立リーグで現役復帰。19年から古巣に戻ってきた。再びの戦力外通告も、6年前に流した涙はない。

 「胸を張れる野球道ではなかったですが、自分を信じ続けたことが野球をやり抜けた要因だと思います」

 2度目のNPBでも1軍デビューはかなわなかったが、人と違う道を切り開いてきた自負がある。大切にしている言葉は「9割の辛と1割の幸」。つらいことばかりでも、小さな成果を大切に幸せをつかんできた。

 今後は球団職員として野球振興に携わる。まずは全力で競技普及や子供たちの指導にあたる。一方で胸にあるのは「人と同じはつまらない。ゆくゆくは何でもしたいし、野球だけではないという道をつくりたい」という野望だ。「例えば、自分のテレビ番組を持っちゃうとか?」と笑う古村。誰に何を言われようと、夢を持ち、自分を貫いてきた姿勢を変えるつもりはない。

 「先駆者でありたい。そうなれたら、テレビ朝日の『激レアさんを連れてきた。』に出られそうじゃないですか」。まだ27歳。第二の人生も「激レア」なものにするため、夢は広がっている。(町田 利衣)

 ◆古村 徹(こむら・とおる)1993年(平5)10月20日生まれ、神奈川県出身の27歳。茅ケ崎西浜から11年ドラフト8位でDeNA入団。14年限りで引退し15年は打撃投手を務めたが、16年に四国IL・愛媛で現役復帰。18年はBC・富山に所属し、19年に古巣復帰した。1メートル80、80キロ。左投げ左打ち。

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2020年12月29日のニュース