“守乱”改善へ 阪神・田中2軍内野守備走塁コーチ 11年のスカウト経験いかしアマからアイデア逆輸入

[ 2020年11月14日 05:30 ]

就任会見で抱負を語る田中秀太2軍内野守備走塁コーチ
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 阪神の2軍コーチ就任が決まった久保田智之投手コーチ(39)、田中秀太内野守備走塁コーチ(43)が13日、兵庫県西宮市内の球団施設で会見に臨んだ。ともにコーチに就くのは初めて。2軍内野守備コーチに就任する田中氏は“アマの知識”をプロの世界に逆輸入して、若虎を鍛え上げる決意だ。

 「今年1年間アマを見てきて、ああいう練習をしているなと感じるものがあったりしていたので、プロですけどそういう基本的な練習方法は勉強になった部分があるので少しでも生かしていければ」。11年間務め上げてきたアマチュアスカウトの経験はダテではない。九州地区担当として梅野、中谷、小幡ら多くの有望株をタイガースに送り込んできた。

 選手の資質を見抜く眼力はもちろん、その目で見てきた名門校の取り組みや、プロでも生かせる反復練習も知識として蓄積。「興南高校のボール回しの練習だったり、明豊高校は非常に守備練習時間をかけて基礎からやっている。少ない時間でも効率を上げるとか、非常に勉強になりました」とプロ仕様に転用できる練習法を実行していく考えもある。

 何より期待されるのは、若手内野手の守備力の向上。1軍は今季も課題を克服できず12球団ワーストの85失策を犯した。「実際に数が12球団ワーストということですから、やっぱり今まで以上に厳しくやらないといけない」。“守れる虎”へ、汚名返上のカギを握る男の言葉は力強い。

 「スカウトを11年やってきた中で、獲ってきた選手を指導できるのはうれしいこと。一人でもスカウトさんが獲ってきた選手を育てて、喜んでもらえるように」。大きな使命を背負って、再びユニホームに袖を通す。 (遠藤 礼)

 【田中コーチに聞く】
 ――矢野監督とは。
 「この話をいただいたときには九州にいたので電話でしたけど、『一生懸命、愛情を持って、厳しくやってくれ』と。やっぱり今年は失策数も多かったというところは矢野監督も言われているので。少しでも改善できるように貢献できたら」

 ――気になる選手はいるか。
 「獲った選手は、子どものように接してきました。横田がああいうことになって、残念な思いもあります。横田みたいな選手が出てきたらいいな、というのは思っています」

 ――ファームで次の世代を育てる中で心がけることは。
 「この前、福留が言いましたが、選手はキツくなると『もういいかな』と思ってしまうので、その壁を何とか破れるように。接し方であったり、練習させ方であったり、そういうのを工夫していかないといけない」

 ――スカウトの経験を通して生かしていけるのは。
 「いろんなタイプの選手がいるので、みんなが一緒ではない。接していく中で、一人一人の性格、タイプを見極めてやるのが大事かなと思っています」

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