阪神・西勇8回5安打零封で3年連続2桁勝利 「試合数少ない中でどれだけ勝てるか未知の数字だった」

[ 2020年10月17日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5-0ヤクルト ( 2020年10月16日    甲子園 )

<神・ヤ19>7回1死満塁のピンチをしのぎガッツポーズでベンチに戻る西勇輝(撮影・後藤 正志)
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 阪神は16日のヤクルト戦で西勇輝投手(29)が8回5安打無失点の力投を見せ、5―0で快勝した。エースの貫禄を増す右腕は3年連続7度目の2桁勝利となる10勝目に到達。ナゴヤドームで中日に3連敗した悪い流れを断ち切った。ドラフト2位新人の井上広大外野手(19)のプロ初安打初打点も生まれ、来季へつながる1勝となった。  試合結果

 味方のミスをカバーできる。チームが苦しい時こそ踏ん張れる。それが西勇と並の先発投手との違いだろう。名古屋で3連敗を喫して甲子園に戻った移動ゲーム。燕打線の前に猛虎のエースが立ちはだかった。

 「名古屋で苦しいゲームが続いていたので、僕自身が強い気持ちでマウンドに上がっていた。昨日から梅野とも“しっかりやっていこう”とLINEもして、いいリードをしてもらって、すごく投げやすかったです」

 立ち上がりから、自慢の制球力とテンポの良さでアウトを積み重ねる。最大の山場は3―0の7回だった。先頭の村上にこの試合初めての四球。続く青木の一ゴロはボーアの真っ正面で完全な併殺コースだったが、一、二塁間で村上を挟んだボーアと小幡の連係プレーが乱れ、村上をアウトにし損ねた。

 失策はつかなかったものの、2死走者なしのはずが1死一塁。続く西田の左前打と山崎への四球で1死満塁までピンチを広げた。ただ、ここで粘れるからこそのエースだ。西浦を外角スライダーで狙い通りの三ゴロ併殺打に。今季、満塁では相手打者を4打数無安打と完璧に抑えている。終わってみれば8回5安打無失点の快投で、3年連続の2桁となる10勝目を飾った。

 「試合数が少ない中で、どれだけ勝てるとか、本当に未知の数字だったので、2桁勝つのも全然想像できなかったですけど。その中でも1試合、1試合勝つことができたので、その積み重ねがあって無事2桁にいくことができて良かった」

 阪神移籍初年度から2年連続で2桁勝利を挙げたのは、安仁屋宗八、江本孟紀、小林繁に続く史上4人目。FA宣言した18年オフに、争奪戦の末に獲得した球団の期待に見事に応えている。昨季は10勝8敗で終えたが、今季はここまで4敗と負け数が半減。安定感がさらに増した右腕に矢野監督も「本当に頼もしい。いつも西らしく声も掛けながらチームを盛り上げてくれるので」と最敬礼した。

 8回には自身の代打の井上がプロ初安打。最高の形でつかんだ今季10勝目の喜びはこの日限りとし、残りシーズンもチームの勝利のために腕を振る。(山添 晴治)

 ≪2桁勝利は通算7度目≫西勇(神)が10勝目。2桁勝利はオリックス時代の18年から19年の阪神FA移籍を経て3年連続、通算7度目。2リーグ制以降に阪神移籍1年目から2年以上連続で2桁勝利を挙げたのは75、76年の安仁屋宗八(元広島)、76~79年(4年連続)の江本孟紀(元南海)、79~83年(5年連続)の小林繁(元巨人)に続く4人目。リーグをまたいだFA移籍での達成は西勇が初めてで、プロ野球全体でも12~14年(3年連続)の杉内俊哉(ソ→巨)と2人だけだ。

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