阪神・西勇 8回1失点9勝目 移籍2年目で初の2桁12Kも無関心 三振より「リズム」

[ 2020年10月9日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神9-1広島 ( 2020年10月8日    マツダ )

<広・神>7回2死一塁、松山を空振り三振に仕留めて雄たけびを上げる西勇(撮影・北條 貴史)
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 鯉料理はお手のものだ。西勇が抜群のテンポの良さと、コース、緩急を駆使する技術でエースの投球。8回4安打1失点、昨年の阪神移籍後は初の2桁となる12奪三振で、9勝目を飾った。

 「三振はいいです。球数が多くなるし、ゴロで打たすリズムが大事。次の投球も三振というよりも、みんなで守りながらリズムつくって、打撃に移すという考え。三振は捕手との共同作業と思っているので、今日に限ってはリュウ(梅野)がものすごく引き出しを増やしてくれた」

 相手先発全員から積み上げた「K」の山。本人は無関心でも、真っすぐ、シュート、チェンジアップなど多彩な球種が全て決め球となった。6回2アウト目の上本からは4者連続。打たせて取る従来のイメージとは、ひと味違う一面を見せた。

 6回まで鈴木誠の内野安打1本。中盤までは“あの日”を思い起こさせる快投だった。ちょうど8年前の10月8日。オリックスの伸び盛りの22歳がソフトバンク相手にノーヒットノーランを達成した。敵地でのシーズン最終戦で、小久保裕紀の引退試合という異様な雰囲気の中での快挙。一躍、全国にその名を轟かせた。「そりゃ、覚えています。いい思い出だったので」。今回は完投も逃したが、当時より遥かに完成度を増した投球で広島打線を牛耳った。

 この試合でシーズンの規定投球回数に到達し、3年連続の2桁勝利にも王手。「試合数が少ない中、なかなか難しいと思いましたけど、あと1個ということで1個と言わず。残り全部勝てるように」。マツダスタジアムでは無傷の6連勝で「勝てるなら全部勝ちたい」と頼もしかった。

 「三振が取れているというのは、キレもコントロールも高さもそろっているのかなと」と矢野監督。コロナ禍で中継ぎ陣が苦しい中、確実に長い回を投げ抜くエースの存在は大きい。(山添 晴治)

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