原巨人 基本徹底「センター中心」打撃で天敵討ち!2回下位打線から4連打で体現

[ 2020年8月30日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人12―3中日 ( 2020年8月29日    東京D )

<巨・中>2回1死満塁、中前2点適時打を放つ坂本(撮影・木村 揚輔)
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 巨人打線が、過去2試合で対戦打率・167と苦しんだ中日先発のヤリエル・ロドリゲス投手(23)を攻略。「三度目の正直」で来日最短の4回5失点でKOした。15日に来日初勝利を許すなど、巨人戦は2戦1勝、防御率2・03と好投されてきた。天敵を討つべく、チームは試合前から攻略へ意思統一を徹底。それが2回に一挙4得点した4連打に表れた。

 独特の動く球が適度に荒れる外国人投手。攻略には、打席でボールを「見る」ことが必要不可欠だった。

 原監督は、チームに徹底した指示を説明した。「非常に力のある投手。センターを中心に打ち返していこうと」。貫徹したのが、2回に下位打線から浴びせた4連打だった。

 打撃の基本「センター返し」。その延長線にある中堅から逆方向への打撃は、球を引きつけてこそ実践できる。ギリギリまで見るため手元で動く球への対応力も向上する。

 7番の左打者・大城が左前打。若林が中前打で続く。1死満塁。左打ちの先発・今村も左前に同点打を運び、中堅から逆方向への意識が徹底されていた。

 過去2度の対戦では計17三振、ゴロアウトは計14個だった。左打者の大城、今村に最後に投じられたのは内角を突く150キロと、この日最速153キロの直球。無理に引っ張らずに、おっつけ気味に逆方向にさばいたのも、意識の徹底と言える。

 満塁機の決勝打で実行したのが坂本だ。「いい形でつないでくれたのでより気持ちが入った」。初球のスライダーにタイミングを一つ遅らせる。外角球に逆らわずコンパクトに中前へ。中堅手・大島の後逸も重なり走者一掃。中堅から逆方向の4連打で一挙4点だ。

 17年WBC直前の2月キャンプで、坂本はこの打撃を徹底した。同年初の実戦形式メニューでは、安打性8本が全て中堅から右方向。動く球を駆使する投手が多い国際舞台でデータも少ない。打席では球を見極め、ミートすることを心掛けた。

 原監督は「(意思)統一していれば出るのかという世界でもない。しかし、手ごわい投手を打てたのは大きい」と称えた。難敵を打ち崩す、原点の打撃だった。(神田 佑)

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2020年8月30日のニュース