ロッテ 39歳鳥谷ヘッスラ“神走塁”でサヨナラ同率首位!暴投で二塁から一気に生還

[ 2020年8月21日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ5-4ソフトバンク ( 2020年8月20日    ZOZOマリン )

<ロ・ソ6>10回、ワイルドピッチで二塁からサヨナラ生還し、角中(左)、フローレス(右)と喜びを爆発させる鳥谷(撮影・長久保 豊)
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 ロッテ・鳥谷は頭から突っ込んだ。本塁ベースに右手が触れた。サヨナラのホームインだ。両手を地面に叩きつけ、跳び上がった。延長10回に21歳の安田の代走で登場した。2死一、二塁。椎野の暴投で通算2087安打を誇る39歳が、二塁から還ってきた。

 「ベストを尽くした結果が勝利につながって良かった」

 無謀なチャレンジにも思えたが、井口監督は「タイミングは完全にアウトだったけれど、(本塁ベースカバーの)投手が立つ位置を見て、スライディングしてくれた」とうなった。瞬時に数々の判断を下した。捕手・甲斐がはじいた球はバックネットに当たり、不規則に一塁側へ跳ねると勢いを殺さず、三塁を回った。その際もふくらまずに内側へ切れ込んだ。ベースカバーに入った椎野の立ち位置、甲斐の送球が三塁側へそれたことも見逃さない。一番タッチしにくい一塁側へ突っ込んだ。レジェンドによる神走塁でチームは7月3日以来、48日ぶりにソフトバンクと並ぶ首位に浮上した。

 あわやトリプルプレーで試合終了――。そんな場面から劇的なドラマが始まった。2点を追う10回無死一、二塁。中村奨の打球は三塁正面のゴロ。松田宣がベースを踏み、二塁転送でアウト。だが、中村奨が懸命に一塁を駆け抜け、セーフとなった。2死一塁となったことで左腕・嘉弥真ではなく、右腕の泉が続投。左打者のマーティンによる起死回生の同点2ランも勝負のあやだった。

 チームは引き分けを挟んで3連勝。どんな役割でも準備を欠かさない。ベテランのそんな姿勢もチームの一体感を生んでいる。(横市 勇)

 ▼ロッテ・マーティン(延長10回2死一塁から同点の右越え14号2ラン)厳しい試合だったが、絶対に自分にチャンスが回ってくると信じた。この勝利は大きい。

 ▽鳥谷のヘッドスライディング 阪神時代の15年5月23日のDeNA戦で、6年ぶりのヘッドスライディングを披露した。延長10回1死から四球で出塁。次打者の暴投で二塁を回り、三塁に頭から滑り込んだ。送球が高いことを瞬時に判断し、低く滑るためにヘッドスライディングを選択。珍しい闘魂プレーにスタンドもベンチも大いに沸いた。

 ○…ロッテは延長10回に2点のビハインドをはね返し逆転サヨナラ勝ち。ロッテの延長戦2点差以上の逆転サヨナラは01年7月9日ダイエー戦で延長10回6―9からボーリックの逆転サヨナラ満塁弾が飛び出し10―9で勝って以来19年ぶり。

 

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