名古屋大付 コールド負けも完全燃焼 藤井新棋聖の同級生・西田が緊急登板し4点反撃

[ 2020年7月19日 05:30 ]

愛知大会2回戦   名古屋大付4―16富田 ( 2020年7月18日    パロマ瑞穂 )

<富田・名大付>初回途中から急遽登板した名大付・西田 (撮影・平嶋 理子)
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 「投了」にはならない。名古屋大付(愛知)はエースの吉田有輝(2年)が初回に1死も取れないまま12失点。それでも遊撃から緊急登板した西田泰成(3年)は諦めなかった。

 「久しぶりにこんなに広い球場で投げられることにワクワクした。楽しかった」。初回は後続を3人で片付けた。2回以降は失点を重ねて5回コールド負け。11年以来の初戦突破は果たせなかったが、最後の最後までファイティングポーズまで崩さなかった。

 大注目を浴びている学校だ。17歳で新棋聖に上り詰め、将棋界で史上最年少タイトルを獲得した藤井聡太が通っている。松本拓也監督は「学校からの要請で野球以外の質問にはお答えできないのですが…」と口をつぐんだ。藤井と中学時代からの友人である西田も多くを話せなかったが、4得点で反撃するなど、藤井が得意とする終盤の逆転劇を体現するような粘りは見せた。

 進学校で3年間野球を続けるのは容易ではなかった。さらに集大成となるはずだった今年はコロナ禍で大会の開催自体が危ぶまれたが、ある選手は言う。

 「そんな状況下で野球ができたことは人生においてとてもいい経験」。そして「藤井君とつながることが大事なのではなく、大人になってから飲みの席で“俺は藤井君と同じ学校だった”と自慢するくらいでいい」と続けた。名古屋大付での3年間は終わったが、彼らはこれからの人生で「王将」を目指す。(田中 想乃)

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2020年7月19日のニュース