日本ハム・清宮、「村上世代」とは言わせない! 3打席凡退から“意地”の一発

[ 2020年6月11日 05:30 ]

練習試合   日本ハム6-3ヤクルト ( 2020年6月11日    神宮 )

9回無死、右越えソロを放つ清宮(撮影・沢田 明徳)
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 「村上世代」とは呼ばせない――。日本ハムの清宮幸太郎内野手(21)が10日、ヤクルトとの練習試合に「6番・一塁」で出場し、9回に右越えソロを放った。2日の練習試合再開後、待望の初アーチ。同じ高卒3年目のヤクルト・村上宗隆内野手(20)が8回に2戦連発した後に負けじと打ち返し、同世代でのアーチ競演となった。

  1点リードの9回裏。清宮は練習試合の特別ルールで回ってきたラストチャンスを生かした。五十嵐が投じた高めに浮いたカットボールを振り抜くと、打球はあっという間に右翼席中段に着弾。失投を見逃さなかった。

 「いいスイングをするというところをずっとやっている。それができた。やはり神宮は聖地。めちゃくちゃ気持ちよくプレーできた」。声が弾むのも当然だ。神宮球場でのプレーは早実3年夏の西東京大会決勝で東海大菅生に敗れて以来3年ぶり。1年夏には甲子園出場を決めた思い出の地で練習試合初アーチを放った。

 8回に同じ高卒3年目の村上が2戦連発。昨季36本塁打で先にブレークしたライバルの一発に「それくらい打つでしょ、という感じ」と淡々と話したが、試合前には慢性へんとう炎を患った同期の体調を気遣った。村上のバットを持ってバット談議に花を咲かせる場面もあった。高校通算最多111本塁打を放ったことで高校時代から「清宮世代」と呼ばれてきたが、同世代をけん引していきたい気持ちは秘めている。

 奮起を求めてきた栗山監督は「(特別ルールの)9回裏があって良かったね。野球の神様が何かこうメッセージを送っている感じがする」と言った。ただし、本塁打を打つまでは3打席凡退だっただけに「それまでの打席は超スットコドッコイだろ」と本塁打以外はいつもの辛口だった。

 前日のロッテ2軍との練習試合に続く“2戦連発”。清宮自身は状態の良さを感じていた。再確認できたのが7日のDeNA戦、高校時代からの宿敵・桜井との対戦だった。中飛に打ち取られたが、フェンス手前まで大飛球を飛ばした。練習で実感していた好感触がようやく結果となって表れ始めた。

 3年目で初の開幕1軍へさらなるアピールが求められる。高卒2年目の野村と万波が活躍しており、栗山監督は「野村の若々しさとか、村上のスイングを見て尻に火が付く気がした」。和製大砲が目覚める日は近い。(東尾 洋樹)

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