無観客試合で分かった松田宣の“声の力”

[ 2020年3月9日 08:47 ]

<オープン戦 ソ・ヤ>2回裏1死、右越えに先制ソロホームラン(本塁打)を放ち、TVカメラに向かって「熱男!」ポーズをとる松田宣
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 侍ジャパンの稲葉監督が言いたかったことが、よく分かった。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、プロ野球では2月29日のオープン戦から無観客試合が続いているが、その中でいろいろなことが見えた。

 応援団の鳴り物応援がない中での試合。ベンチからどんな声が飛び交っているかが、まず分かる。その中で、ソフトバンク・松田宣の声が際立っている。

 投手が1球を投じるたびに「ナイスボール!」と三塁のポジションから出てくる。攻撃時のベンチでは、誰よりも声を出し、フルカウントになった際には「スリーツゥー!」と声を張り上げ、相手バッテリーにプレッシャーをかける。ソフトバンクの若手選手がその声に引っ張られるように、大声を張り上げる雰囲気が見えた。

 昨年11月のプレミア12で、松田宣は侍ジャパンの一員として世界一に貢献した。プレーだけではなく、チームをまとめる声が、稲葉監督には貴重な戦力となったという。

 「オリンピックに選ばれるように、スタートからしっかりやりたい」と松田宣は繰り返しているが、そのためには前半戦に選ばれるだけの成績を残す必要がある。ただ、同じような成績の選手がいた際には、プラスアルファの「声出し役」の存在が重宝されるのは間違いない。無観客試合だからこそ、われわれ報道陣が知ることができた。普段からのベンチワークを重んじる首脳陣からすれば、ケガなく元気にやってくれていたら、選びたくなる選手なんだろうと思う。(記者コラム・川島 毅洋)

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2020年3月9日のニュース