ヤクルト・奥川、初日に怒られた “商売道具”粗末にするな!

[ 2020年2月1日 21:51 ]

練習前の円陣で池山2軍監督に声をかけられて笑みがこぼれたヤクルト・奥川
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 ヤクルトのドラフト1位右腕、奥川恭伸投手(18=星稜)が1日、2軍キャンプ地の宮崎・西都でキャンプインした。

 右肘の軽度の炎症でノースローが続くが、2軍キャンプでは異例のテレビカメラ9台、40人の報道陣が集まるなど注目度は満点。池山2軍監督も奥川効果を口にした。「ノースローの中でもこれだけの人が集まって頂いたのは、彼に対する期待度。プロ野球は見せて、見られてというスポーツ。この報道陣の多さで、今までの彼の活躍、人気の度合いを改めて感じた」。練習前の円陣では、その池山2軍監督から「奥川どうだ?緊張してるか」と質問され「緊張しています」と強ばった笑顔で答えると、チームは笑いにつつまれるなど存在感は抜群。だが、やはり高卒1年目の右腕だけに初日に、きつく注意される場面もあった。

 サブグラウンドで行われた投手陣のゴロ捕(ノック)。一段落した時に、奥川は新人らしく、ボールケースに一杯になったカゴを率先して運んだが「おい、右腕で持つなよ!」という注意の声が飛んだ。右肘の炎症はもちろん、そうでなくても右投げの投手にとっては大事な商売道具。プロの投手は寝るときにも利き腕を体の下側にしないように心がけたり、重い荷物を持たないようにしたりするのが常。奥川としては率先してボール運びをしないといけないという新人としての気遣いの行動だったが、キャンプ初日のドタバタ感もあり、うっかり右腕で重いボールケースを持ってしまった。

 さらに、投内連係のノックでは一塁のベースカバーに入る際に、しばしばベースで足を滑らせてバランスを崩す場面があった。終了後にコーチらとベースの踏む場所の確認などを個別に行うなど、細部で新人の初々しさが垣間見えた。だからこそ池山2軍監督は、ノースローで迎えたキャンプインが奥川にとってはむしろプラスと強調。「サインなど覚えることがたくさんあるので、慎重に入って余裕のある時間をもらえた。良い時間だと思う」とプレー以外でも学ぶべきことが山積みだと言いたげだった。

 奥川自身も自身の現在地は認識している。「まだ未熟な部分がある。慣れないことが多いので、早く慣れるようにしたい」。キャンプ初日をそう振り返った18歳。だが、その分だけ、無限の伸びしろがある。

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