広島コンビが救った 菊池涼「しびれました!」誠也「楽な気持ちで打席に」

[ 2019年11月6日 05:30 ]

第2回 WBSCプレミア12 1次ラウンドB組   日本8―4ベネズエラ ( 2019年11月5日    台湾・桃園 )

8回1死満塁、左前適時打を放った菊池涼はガッツポーズ(撮影・岡田 丈靖)
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 敗色気配が漂いだした終盤、窮地に立たされた侍ジャパンを救ったのは菊池涼と鈴木の「広島コンビ」だった。2―4の8回だ。押し出しを含む4四球で1点差に詰め寄り、なおも1死満塁で菊池涼が、右腕ビスカヤの初球147キロを強振。この日3本目となる安打は、同点の左前適時打となった。ヒーローインタビューで喜びを爆発させた。

 「しんどかったけど、勝ち切れて良かったです。最後は何とか勝ちたいという思いだけで、つないだと思う。前の(山田)哲人が(押し出しで)しっかりつないでくれた。(離脱した)秋山さんの分もという気持ちで打席に入った。最高でした。しびれました!」

 0―1の5回1死一、三塁では、右腕ソティジェトの内角150キロを巧打し右翼線へ適時二塁打。2度の同点打を含む3安打2打点は、メジャー球団のスカウトが視察に来る国際大会で、守備の名手が打撃でも勝負強さを見せつけた。

 4番を託された鈴木も、稲葉監督の期待に応えた。8回、菊池涼の同点打に、近藤の勝ち越しとなる押し出し四球を挟み、なおも1死満塁でダメ押しとなる左犠飛。「前の先輩たちがつないでくれて、楽な気持ちで打席に入れた。何とか1点が取れて良かった」。1、2打席目はいずれも好機で見逃し三振に倒れたが、1―1となった5回1死二、三塁では3番・近藤が申告敬遠。屈辱を力に変え、中前適時打を放った。

 意地と執念、そして結束力が逆転劇を呼んだ。菊池涼が「一丸となって襲いかかっていけば、今日みたいなゲームはできる」と言えば、鈴木も「こんなところまで応援に来てくれている。みんなでカバーして勝てて良かった」と呼応した。広島の名コンビは、侍ジャパンでも欠かせない。 (湯澤 涼)

 ≪押し出しで決勝点 近藤貢献4四球≫3番・近藤は無安打ながら4四球で貢献した。8回は同点で迎えた1死満塁の場面でフルカウントから押し出し四球。これが決勝点となって「つなぎの部分では良かった。こういう勝ち方ができたので(今後の試合でも)自分のやるべきことをしっかりやりたい」と話した。今季はリーグ最多の103四球で最高出塁率のタイトル獲得。「外国人特有の動くボールもあった」というが、しっかり対応していた。

 ≪浅村勢いつけた≫浅村が打線に勢いを生んだ。4回2死ではメジャー通算31勝左腕ドウブロントから右前にチーム初安打を放ち、6回は中越え二塁打。2点を追う8回は先頭で「簡単にアウトにならず、じっくり見ていこうと思った」と出塁を意識して四球を選び、逆転の口火を切った。2安打に「徐々に調子は上がってきている。自分らしい打撃もできた」。本職の二塁とは違う一塁で好守も見せ、白星スタートの立役者となった。

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