ソフトBからトレード 中田、阪神に「勝者のメンタリティー」注入!6年で5度日本一の経験生かす

[ 2019年10月30日 05:30 ]

入団会見後に、阪神のユニホームに袖を通し、ポーズを決める中田(撮影・坂田 高浩) 
Photo By スポニチ

 ソフトバンクからトレードで加入した阪神・中田賢一投手(37)が29日、兵庫県西宮市内で入団会見し、百戦錬磨の投球術と勝ち運で2005年以来、15年ぶりのリーグ優勝に貢献することを誓った。プロ15年間で100勝を挙げ中日、ソフトバンクでリーグ優勝と日本一をともに6度経験した男が猛虎に「勝者のメンタリティー」を注入する。推定年俸3500万円で背番号は中日時代と同じ「20」に決まった。

 ベテランらしい物腰と、まだまだ若々しい肉体で中田は会見に臨んだ。過去の2球団で100勝を挙げる右腕も今季は1軍登板1試合のみ。もうひと花もふた花も咲かせるため、故郷の福岡を離れ、新天地に挑戦した。

 「まだ現役をしたいという気持ちの方が強かったし、自分の中で“投げたい”“投げられる”と思っていた。監督、コーチが望むところなら、先発であろうが中継ぎであろうがどこでも投げたいと思っています」

 形の上ではソフトバンクで出番を失ったところを阪神が拾ったことになり「びっくりと言うか、ありがたい」と感謝した。ただ、今季もウエスタン・リーグでは21試合登板で6勝3敗、リーグトップの防御率3・02。剛腕は健在だ。「元気に1年間投げられたんで、このまま現役を退くことになると後悔が残るなと。何とか続けたいという思いで1年間投げていた」。経験豊富な先発投手を求めていた阪神にとっても、価値ある補強となった。

 通算100勝もさることながら、さらに華々しいのが所属チームの成績だ。落合監督の黄金時代の中日で優勝3度に日本一1度。13年オフに移籍したソフトバンクでは優勝3度に加え、在籍6年間でなんと5度も日本一に輝いている。「Vを呼ぶ男」とも言えるキャリアから得た経験を、15年間も美酒から遠ざかるチームに還元する。

 「ソフトバンクは投手も打者も“目の前のこいつに負けないぞ”という思いで、仲がいい中でバチバチに意識している。“あいつが打ったらオレも打つぞ”みたいなギラギラ感がチーム内にある。それが阪神にあるかないか僕はまだわからないけど、仲がいい中でもそういうものがあれば、相乗効果で個々の力が上がっていくんじゃないかなと思う」

 強いチームで体感してきたことを言葉で、姿勢で伝える構えだ。背番号は中日のエースナンバーで、新人から付けていた20に戻り「ルーキーの時も20番。プロ生活15年ですけど、来季もルーキーのようにハツラツとした気持ちでマウンドに上がりたい」と早くもギラギラ感を漂わせた。優勝の味を今の阪神の誰よりも知る37歳が、チームに新風を吹き込む。(山添 晴治)

続きを表示

2019年10月30日のニュース