日本ハム 栗山監督 秋季Cは「タフで強い選手」の台頭を希望

[ 2019年10月30日 05:30 ]

秋季キャンプ地の沖縄・国頭村の宿舎に到着した日本ハム・栗山監督
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 ガッツ&キムタクになれ!今季5位からの巻き返しを目指す日本ハム・栗山英樹監督(58)が29日、きょう30日から始まる秋季キャンプに向け沖縄・国頭入り。2年連続で夏場に失速して優勝を逃しており、一年を通して戦える「タフで強い選手」の台頭を希望した。南国で心身ともに鍛え、来季4年ぶりのリーグ優勝で北海道に歓喜を届ける。

 いつもの柔和な笑顔はない。胸に渦巻くのは3年連続V逸の悔しさ。5位からの巻き返しへ、心は燃えている。秋季キャンプのテーマは明確。求めるのは肉体と精神の「強さ」だ。チーム宿舎に到着した栗山監督は、言葉に決意をにじませた。

 「ここがスタート。ここからの5カ月が勝負。疲れていてもやり切れるタフな選手をつくる。コーチには“こういう選手にしてほしい”と伝えている」

 今季は昨季同様に7月までは上位戦線にいながら、8月に5勝20敗1分けと大失速。中田、西川、近藤ら能力が高い選手はいるが、本当の意味でタフで強い選手は限られる。栗山監督が求めるのは少々の痛みや故障でも休むことなく、チームのために自己を犠牲にできる選手。今季も4番の中田に「俺は3冠王よりも優勝チームの4番の方が格好良いと思う」と言い続けてきた。

 栗山監督がコーチに伝えた「こういう選手」の理想像はともに球団OBの2人。前中日2軍監督で新任の小笠原ヘッド兼打撃コーチと、巨人コーチ時代の10年に37歳の若さで急逝した木村拓也氏だ。

 今月中旬に札幌市内で小笠原コーチの就任会見が行われた。同席した栗山監督は小笠原コーチに「小笠原道大(みたいな選手を)をつくってくれ」と指令。泥くさく愚直に練習を繰り返して現役通算2120安打を記録した同コーチも、ナインに妥協を許さず猛練習を課す意向だ。
 木村氏は小笠原コーチと同様に日本ハム入団時は捕手で、その後はプロで生き残るために投手以外の全ポジションを守った。栗山監督もドラフト外でプロ入りした苦労人でキャスター時代から木村氏の自己犠牲の精神に感銘を受け、北海道の自宅にバットを飾っているほど。宮崎に滞在中の今月24日には同県内の木村氏の実家に初めて足を運び、父・茂夫さん(71)と母・よし子さん(71)に「息子さんのような選手を育てます」と約束した。

 小笠原コーチと木村氏は巨人時代に「ガッツ」「タクさん」と呼び合う仲だった。それぞれの立場で存在を輝かせた両者のような選手を育て、16年以来4年ぶりの頂点を狙う。(山田 忠範)

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2019年10月30日のニュース