阪神・西、7回2失点好投も「連勝止めて悔しい」

セ・リーグ   阪神1―2ヤクルト （ 2019年3月31日    京セラD ）

＜神・ヤ＞先発の西（撮影・坂田　高浩）
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　初回の失点が悔やまれた。2死一塁から阪神・西はバレンティンに高めに浮いた直球を痛打され、先制点を献上。続く雄平にも左中間へ適時打を浴びた。開幕から打線が低調とあって、初回の2点が最後まで響いた。7回を被安打4の7奪三振、2失点。2回以降は抜群の制球力でスコアボードに0を並べただけに、連勝が止まった責任をすべて抱え込んだ。

　「連勝を止めたのが悔しいですね。自分の失点ですし。初回のリズムとか、もうちょっとね。初登板だから仕方がないとかではなく、準備してきたものが最初できなかったので、次はこういうミスがないようにしたい」

　6回2死一塁からバレンティンに左翼5階席へ特大のファウルを浴びた。一度は本塁打と判定されたが、リプレー検証で覆った。仕切り直しの勝負は、外角低めのスライダーで空振り三振に仕留めた。「展開もそうだし、流れの変わり目も感じていたので、何とか0をと思っていました。判定後、0で帰ってくることが大事だった」。常に沈着冷静な右腕もこの時ばかりは右の拳を強く握りしめ、雄たけびを上げた。

　誰もが緊張するシーズン初登板。移籍初年度ならなおさらだろう。30日の試合後。チームの合言葉は「点を取って西を援護しよう」――。仲間の言葉と気遣い、励ましが心に響いた。「胸に響きますし、初登板で力む中、みんなが声かけてくれた。自信を持ってマウンドに上がることができるし、みんなから活力をいただいた」と周囲のサポートにも感謝を忘れなかった。

　平成2年の生まれ。その平成に別れを告げ、5月1日から新元号が適用される。愛着と思い出が詰まる、かつての本拠地で迎えた移籍初年度初戦で大きな手応えを得た。「新しいチームに来て、自分のスタイルがどこまで通用するかわからない中、本当にいい雰囲気づくりをしてくれた。本当にいいチームだなと思いました」。西にとって平成最後となる京セラドーム大阪のマウンドを経て、猛虎の一員になった。　（吉仲　博幸）